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もとは、《甲》のあった都市の土地が、荒地同然となっていた。崩れた城壁が卵の殻のようにボロボロと崩れて、家々や公共施設も焼け焦げ天を曇らせた。しかし、その中でもなんとか原型をとどめている建築物もある。 

そこに、各国の進駐軍が陣営を備えている。 

そのうち、朝早く、風に靡く旗の間を縫って軽い装備の武将が陣内に入ってきた。 「各々きかれましたか?」

 「フム?」 

眠たげなアクビを殺したり、寝起きの諸将が声の方に耳を傾けた。 

実は、五制が崩れ、又、都市会議が失われる……と。 

それを聞いた諸将が激しい電流にうたれる。

 「それは、まことか?」 

「いつ? どこからだッ。その話はどこできいた?」

 軽い装備の武将を取り囲むようにして騒がしくなる。 

すこし、ここで「五制」と「都市会議」について説明する。 

五制とはなにか? これは税金の徴収の仕方であり、一般的に農作物及び肉類を第一の税金とし、第二に金貨、布、特産物などである。

 これに、労働も加わる。これがこの大陸の一般的な税収の方法であった。

 尤も、これはあくまで一般的であり、その税の重さは変わる。 

しかも、都市国家はこれを採用を表面上行うが、その大半の利益は戦争と奴隷などから利益を得る。 従って都市国家の五制は緩く、しかし商品に税金が加えられた。 次に「都市会議」である。これは、元々大陸を支配した王朝の名残であり、大規模な中原の諸国家は争いを行わないように、六十七日に一度、会議をひらく。 それに追従するように中規模、小規模な都市国家は自らの影響の強い都市国家に肩をいれて発言をする。

 このため容易に会議はすすまない。 

この二つの崩壊は即ち、緩慢な紛争と平和を享受してきた中原の国々が危うい均衡に支えられた柱を失うことを意味し、本格的な戦乱が来たことを告げている。 (――――世が変わる、それも大きく。)

 誰の胸にも似通った考えは浮かんだ。


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