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6 紳士視点

巻末での表現と描写がわかりにくいとのご指摘をもらいましたので

視点別にかき分け、多少の心理描写をつけたしました。

――紳士(ギド)視点


鬱蒼とした原始の森、その奥地に、上が見えぬほどの巨大な塔がそびえ立っている。

神が人に試練を与える為に創りだしたとされる塔。

その試練の塔50F、目もくらむような高さ。柵のないバルコニーから足を出して座っているスーツ姿の男


「ギドはログアウトしないのかい?」


その横に立つ長身の女性。

青い鎧を纏った姿は戦乙女のようで、風に揺れる金色の髪が美しかった。

3M程の白い槍を肩にのせながら横に座るギドに声をかける。


「こんなイベントだ、命を掛金に参加できるなら安い物だよ?まぁイベントには見えないのだけどね」


ログアウトボタンは押すことができたし、秒数カウントも始まったが、ログアウトするわけにはいかない。


「私のほうは、妹がログアウト出来ていないようだから……おいていけない」


「相変わらずツェツィは妹想いだね。こっちは少しやることが出来てしまってね」


ギドと言われたスーツ姿の男が、顎を指でなぞる。


「転移や脱出系のアイテムが使えなくなっているからね、痛みもちょっと面倒な事になったね」


あのシステムをハッキングするなんて、まず人には出来ない。ということはやはり2人の言った通り

軍事用の人工知能がハッキングを仕掛けてシステムを書き換えたというのが有力なところかな。

目的も解決策も今のところは不明、アッシュのキャラは知っているけど。

ナツキの3rdキャラはわからないのだよね。

アッシュは、恐らくギルドで動くだろうし。

ナツキは、情報集めと解決策のめどがつくまで目立った動きはしそうにない。

となれば、それなりに今あるツテを広げておくのが得策かな。

問題はどうやって、ここから脱出するかだ。移動系のアイテムは使えなくなっているし。


「考え事は終わったの?」


「ふむ?すまないね。これからどうするか考えていたよ」


これからの事を考えるには今はまだ情報が少なすぎる、人工知能とやらの目的といったものが予想もつかない。

なので現状GMだと公表する事も、派手に動くことの利益もない、むしろ不利益のほうが多い。

GMだと出て行った所で証拠がない、それに出て行ったことでイベントだと思われる事は避けたい。


「こっから飛び降りてからの事よね?」


目も眩むような高さ、かなり下のほうに雲が見える。


「よくぶっとんでいると言われるが、ツェツィも大概だね。先の戦闘で痛みは理解できたと思うのだけど」


なんというか、残念な美女。男前すぎる性格といえばいいのかな?

先ほどの戦闘で、痛み等を体感した自分としては、飛び降りたくはないのだけど。

ツェツィの顔を見るに飛び降りる気満々のように見える……気のせいじゃない。


「痛みですんでる内に飛び降りておかないと、一週間後の改変までに下に降りれないわよ?」


「高所恐怖症なのだが……」


ガシッと、白く透き通るような細い手がギドのスーツの襟首を掴む。


「高所恐怖症なら、そんなトコ座ってられないわよ」


「ちょっっ、ちょっ、おまっ、引っ張るな!待て、HA☆NA☆SE!!おぃ、せめて心のじゅんっ……ぎゃああああああああああああ」


どこにそんな力があるのか?

片手でギドの襟首を掴んだまま、ツェツィがバルコニーから飛び降りる。

一瞬の浮遊感、そして一気に落下を始める。


「風が心地良い……」


凄まじい速度で落下しながらツェツィーリアが呟く。


「ぅぁあああああああああーーーー」


なんで、この状況で飛びおりるんだツェツィ!?そしてなんで落ち着いてるんだ?!

いや、まて。落ち着け、落ち着かないと。こんな時に使えるスキルは……覚えていない!空は飛べない!

I can't Fly!!!!

何か無いかなっっ!?

インベントリーに何か!!落下の衝撃を吸収したり痛みを和らげる物!


キメラの触手……斬り落とされたキメラの触手、凄まじい生命力で斬り落とされなお動く。

趣味の収集アイテム。使えないよ!いや、性的な意味じゃなくて!


絖る粘液……粘性と潤滑性をもったエルダースライムの粘液。

ローションがわりに使えます、寂しい夜にも恋人同士でm…って違う!

誰か助けて!?

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