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R-15だと思われる表現や一部BLのような表現

ブラックなジョークやアメリカンジョークなど。

上記を笑って流せない場合や、年齢にひっかかる場合はお戻りくださいませ。



「ぅぁ?」


 窓から差し込む朝日が髪の毛を照らしキラキラと陽に輝く。

ゆっくりと身体を起こすとぱさりっと布団が落ちて、透き通るような白い肌が顕になる。


「…………知らない天井というか、部屋?」


 ゆっくりと見回す。新しい新居の部屋のような感じで小さな荷物がいくつか置かれ

必要最低限の家具が置かれているだけで、何もない殺風景な部屋。

昨日………昨日何してたっけ……あぁ、ぇっと転移方陣で転移して……。


 物思いに耽るティセリアが、ふっと動かした手が何か温かい柔らかい物に触れる。

ん?と小さく首をかしげて、ベッドの脇を見ると裸にみえる格好で寝息を立てているルードヴィッヒが目に入る。


「……………???」


 ちょっと、待って。落ち着け。落ち着くんだ。

KoolだKoolに……いやそれは死亡フラグ…………ええっと朝起きて、ベッドの上で裸。

ここまではオッケー、うん、よくはないけどオッケー。

知らない部屋のベッドで裸で寝ていた、だいぶ問題がある気がするけど、まぁ良いとする。

問題は、なぜ横でルー君が裸で寝ているのか?

ぇぇっと………事後? 事後なの? むしろ事故なの?

とりあえず落ち着こう、ぇっと……布団をめくると自分は何も着ていない。

ルー君のほうをめくるのはアレだけど、見えてるところは裸。

すべすべしてそう………寝顔かわいいなぁ、写メでも取ったら世の中のお姉様方に大人気になりそうな……。

男の娘でも可愛いは正義だって開発チームの誰かが徹夜明けに叫んでたけど、ちょっとわかる自分がコワイ。

いや、違う、えっとこういう時の参考事例は………



「なぁナツキ、聞いてくれよ。朝起きたらジェシーと裸で抱き合ってたんだ、いやぁまさか酔った勢いでやっちまうとは」

「それでだな、責任取ったのはいいんだが前後不覚になるほどよっぱらってデキルワケがねーんだよな、ハハハハ!」

「で、ジェシーにまんまとハメられたってわけだ。まぁはめるのは俺のほーなんだがな、美人な嫁さんだしな」


 とか、いつか飲み会でトムが笑いながらくだらない冗談を言ってたような………。

なんてアテにならない参考事例……ぁーあれ? えっと………。


 ぼんっと効果音が聞こえそうなほどに一瞬で耳まで真っ赤になる。

きょろきょろと周りを見回し、落ち着かなげに小さな声でどうしようとか、いや、まさかそんなとかブツブツと呟くティセリア。


「いや……えっとつまりは………」


 されるのはこっち側であって、いや、えっとこの場合された?

いや、けどルー君が………思いにくいし………えっと………。

アッーな関係に?! いや、あれ?けど今は女性の身体だから普通?

いやいやいや、普通じゃない。中身は男……最近自信とか違和感が無い気もするけど……大丈夫だ、まだ男のはず。

昨日、昨日は……転移の後に、意識を失った……失って………あれ?

ズキリっとこめかみ辺りにはしる痛みに顔をしかめる。

ぅ、なんだろう、ルー君を抱きしめてた……ような……気もするけど、頭痛い。

二日酔い? けどお酒なんて飲んでいないし。

伯爵がまるでワインのように甘美なとか言ってたけど、まさか血で酔う事はないだろうし。

もう一度横を見る、目を閉じてわずかに肩を上下させて呼吸しながら寝ているルー君。

確認するように、さわりっと頭を撫でる。

さらりっと手触りの良い髪の毛が指の隙間を流れるように滑る。

ふにふにとほっぺたを指先でつついてみる。

柔らかい感触、すべすべぷにぷにしてて心地良い。

って、そうじゃなくて!!

幻覚だとか手品とかじゃぁない、本物のルー君。

ズキズキと痛む頭を抑えながら、思い出そうとするとおぼろげに浮かぶ場面。

ルー君を抱きしめながら、首筋に歯を………血を吸った?

ぁ……ステータスは確かに、全快してるし………。


 ふっと目線を隣で眠るルー君に戻す。

首筋にそっと触れると、小さく震えるルー君。

牙で噛んだ痕のような、小さなアザのようなものが2つ。

噛んだ痕だといえば、そうだけど………。

ぇっと、けど、自分の身体に痛みは無いし………。

視線を落とすと眼に入るのは白い肌。キスマークの1つも残っておらず

体の一部にそういう痛みも違和感も今は無い。


「わからない………えっとわからない事はしょうがない?」


 ふぅっと小さく吐息を吐き出して、ベッドから起き上がり、自分に言い聞かせるようにつぶやく。

小さく身動ぎするルー君に思わず手を伸ばしてさらりっと髪を撫でる。


 あれ? 下着……無い?

上はあるけど………んー、まぁ新しいの使うしいいか。


 ふわりっと小さな光の粒子に包まれていくティセリア。

透けて見えそうなそれが薄れていくと、ズボンにシャツ。その上に胸当てと小手だけをつけた軽武装のティセリア。


「とりあえず、ここの責任者にあって……、あとマッセにメッセを入れて………」


 ちらりっと部屋をでる寸前に部屋の中を振り返るティセリア。

ルードヴィッヒの眠るベッドを見つめて、側まで戻ると布団を肩までかけ直す。


「ぅ~~だめだ、気になる……どうすれば………」


 両手を頬にあてて、まさか襲った?とか聞けないし………と言いながら部屋をでていくティセリア。



























─ルードヴィッヒ視点─



 パタンっと小さな音を立てて閉まる扉。

シンっと静まり返る部屋、しばらくしてからゆっくりとベッドの上でルードヴィッヒが身体を起こす。

ティセリアより先に目が覚めたものの、動けずにティセリアを見つめているうちにティセリアが先に起きてしまい。

起きるに起きられず、寝た振りをしていたルードヴィッヒ。


 ティセリアさん……綺麗だったなぁ………。

綺麗な髪の毛と白い肌に………その、えっと……胸が見えて………。

途端に耳まで真っ赤になってふるふるっと首を振って想像を打ち払うルードヴィッヒ。


 けど、僕と一緒に………なんで寝て?

何度か寝てたような? けどあれって夢だよね??

ぇっと、夢じゃない? ぇーっと、あう………。


 ナニを思い出したのか、再度真っ赤になってベッドに埋まるルードヴィッヒ。

ぎゅうっと枕を抱きしめて顔を埋める。


「ティセさんの匂いが………」


 違う、えっと、そうじゃない。

夢じゃないなら、もしかして?


 こくりっと喉を鳴らし、インベントリを展開する。

1つづつ祈るように、違ってほしいのか、そうであってほしいのかはわからずに確認していく。

1つ減っているとあるポーションと、1つ増えている装備品。

反射的に装備品を取り出してしまい、手の中にでてくるソレ。

手に伝わる感触に、真っ赤になって慌てて元に戻す。


「ど、どうしよう?」


 しばらく何かを考えたり、唸ったりしているルードヴィッヒ。

10分ほどしてからようやく気持ちに整理がついたのか、深呼吸をして着替える。


「おや? ルードヴィッヒ様おはようございます」


 ドアを開けたところでギムレーと再開する。丁寧な挨拶の手本のような動作で腰を折るギムレーに

ややぎこちない笑顔を浮かべながらおはようございますと返事を返す。


「どうかされましたか?」


 ルードヴィッヒの表情に何かを察したのか、問いかけるギムレーにぅっと言葉を詰まらせる。

少し頬に朱がさし、ギムレーがソレで何かを察したのか、口を開こうとした瞬間に廊下の影に人影が見える。

ぬるりっと現れたのか、真っ赤な燃えるような炎の文様の鱗を全身に生やしたリザードマン。

反射的に剣の柄に手をかけたルードヴィッヒの手を、いつのまに距離をつめたのかギムレーが抑える。


「ギムレーさんっ?!」


 驚いた声のルードヴィッヒとは対照的に、小さく頷くだけのギムレー。

こちらを見つめる蛇のような瞳がギョロリっとルードヴィッヒを一瞥する。


「スマヌ ギムレードノ、オドロカセタヨウダ。14ノコクニカイギガアル」


 笑おうとしたのか、くぱぁっと口が開き細長い舌が、生えそろった牙が覗く。

びくりっと肩を震わせるルードヴィッヒの肩を小さくギムレーが叩く。


「大丈夫ですよ。彼らは味方です。申し訳ありません、彼は恐らくギルドの初期講習をまだ受けていないようでして」


「ソウカ ワレラ モ ゲンジョウハ リカイシテイル」


 そういって、小さく手を上げるとくるりっと来た道を引き返していく。


「えっと………ギムレーさん?」


「ふむ、やはりギルドのチュートリアル、初期講習はまだ受けておられませんね?」


 そう言われてこくりっと頷く。

チュートリアルクエストでも言われたのだが、ギルドに登録してから受けられる初期講習クエストはまだ途中までしか受けれていない。

しかし、アレは動画サイトでも見たことがあるけど、魔物のはず。

PCが選べる種族には居なかったと思うんだけど………。


 ふむ、では簡単ですが説明いたしましょうか。

コレが映画や小説なら、台無しになるので恐らくは決戦まで存在は伏せられて良い場面で……となるのでしょうが

そんな事をすれば連携もましてや敗色濃い戦場ならば敗走のきっかけになりますからね。

まず、魔物とはいくつかの種族とは別におおまかに分けると代表的なものが3つあります。

近隣などに巣食う魔物、これは野山にいる動物のようなものですね。

次に西方に勢力を持つ、通称魔軍と言われる魔物の勢力です。

これらは、旧魔王軍の配下であった兵士達で、魔王が崩御の際に交わされた盟約により、こちらから危害を加えなければ襲われる事はありません。

また彼らの言語か、こちらの言語を理解する方であれば会話、売り買いも可能です。

攻撃すれば評判システムで一気に敵認定となりますので注意してくださいね。

最後にもう1つは、北よりの災厄と呼ばれる魔物の勢力です。

こちらは人類を滅ぼすということを目的とした、そのままの軍勢です。魔軍のように魔物の安全や住処を求めてのものではなく

また意思疎通はできても、相互理解などは不可能ですね。

それで今言いましたように、魔軍と話し合いをし、ぇぇっとなんと申しましょうか?

現魔王とでもいいましょうか、プレイヤーの魔王ことアッシュグリードさんが彼らを配下に致しまして

他にもゴブリンやオーク、オーガなど西方の魔軍が次々と集結中です。


 次に評判システムですが、これは簡単ですね。

例に出しますと、自分のだした依頼を受けてもらえば嬉しい。

そして自分の所属する勢力や例えば仲の良い知り合いにとっても、それは良いことで評判があがります。

逆に敵対する勢力などがいれば、敵の依頼などをこなしたのですからそこからの評判、人気などは下がりますね。

代表的なクエストですと、形見のぬいぐるみ、大臣の領土………そして有名な聖女の堕ちし地などがあります。

形見のぬいぐるみですと、貧民街の少女のたった5枚のコインが依頼報酬の任務です。

少女の母親の形見のぬいぐるみを追いかけて、貴族の屋敷にいくものです。

途中で選択がありまして、貴族からの依頼で無かった事にすれば貴族から5000のお金と貴族街と貴族の評判があがり、貧民街や一般商店の評判がさがります。

これの中で最悪ともいえる選択として、貴族を斬る事ができます。

これをすると任務受けられる西にあります王国の貴族、貴族街、聖神教の評判が著しく下がります、最悪懸賞金がかかり、衛兵に襲われることになり貴族街などに出入り不可能になります。

貧民街や一般商店からは上がります。

評判があれば、その評判で新しいクエストや、掘り出し物、割引などが受けられます。

勢力契約システムも似たような物だといわれていますが、えぇっとたしかギャルゲーといえば通じやすいと以前伺いましたね。

有名なプレイヤーですと、悪騎士(イヴィルナイト)のフリード様でしょうか?

形見のぬいぐるみを取り戻し、貴族を切り伏せる。 悪徳神官を切り伏せるなどして

一般街や貧民街での評価は最高、逆に貴族街などは衛兵に襲われます。

彼はそういったクエストばかりを好んで受けているようですしね。


「まぁもっとも、HALのもたらしたアップデートによって、フリード様には貴族街の衛兵や王国といえど手はだせませんけれど………そんな事をすれば民すべてが敵に回ります。兵士も元を正せば貴族兵以外は一般市民ですからね」


 こくりっとその言葉に頷く。

そういえば以前ティセリアさんがロビンフッドは民の味方だったかもしれないけど、兵士達によっては災厄でしかなかっただろうねと

言ってたなぁ………物は視点で善悪が変わる。それがHALのアップデートでもたらされたって事かな?


「それで、話は戻りますが、恋ですかな?」


 びくりっと言われた単語に身体が震える。

いつものようにスイッチを入れて表情を保とうとしても、できない。

鏡があれば真っ赤になっている自分が見えるだろう。


「ふふ、なるほど。その辺りは歳相応といったところですか? たまには素でもよろしいのでは? 彼女には素なのでございしょう?」


 にこりと柔和な笑みを浮かべるギムレーに何も言えずに、ルードヴィッヒがはいと小さく返事をして頷く。

恋や愛とは醜くもありますが、美しい良い物でもありますよと言葉を残し、礼をして去っていくギムレーの背中を見送る。

とうとう気づいてしまった両者。

もうちょっと詳しく心情を書いたりしたいのですが、うまく文章ができませんでした。

いえ、なんというかR-15に収めるのが難しいような感じでして、察してください orz

ルー君は夢?という形で記憶は、少し曖昧ですがはっきりと覚えてます。

ティセリアは、今までの事は忘れてますが、今回の事は場面場面でおぼろげに覚えています。

ちなみに、血液で酔ってます。



後半は説明回ですね!評判システムです。MMOではたまにあったりしますね。

勢力契約のほうは、ギャルゲーです。物語での詳しい話はあとになりますが、

水精霊や木の精霊、龍人などと契約できます。

男性タイプか女性タイプが選べて、風なら小生意気で元気そう。

水ならおおらかで母性タイプといった感じで契約してパートナーのような感じになれます。

最初は呼び方も他人行儀で、契約場所にいかないと逢えません。

頼み事クエストや貢物をして好感度があがると

木の精霊はデフォルメされた幼女、覚醒バージョンで少女ですが

男性PCであれば、お兄さまやにーになど呼んでもらえます。

もちろん、メリット・デメリットがあって

木であれば、木、大地属性に強くなったり特定スキルなどが使えます。

代わりにデメリットとして火に凄まじく弱くなったりします。

好感度が上がって、特定のクエストをクリアして親密度のランクがあがると

メリット、デメリットもより強力になっています。

火、風、水、土、木、雷、闇、光、龍人、聖神などなど多種多様です。

有名なのが、木のドライアドで紳士な男性陣が

森の守護者というギルドをつくってたりします、通称 ドライアドのお兄ちゃん。

火なら勝気なお姉さん、おにーさん。

龍人なら和風の色っぽい古風喋りの優男かグラマラスな美人。

といった感じです。

ちなみにギャルゲーという表現をしましたが、ギムレーさんはプレイしたことがないので

恋愛ゲームだということしか彼は知りません。


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