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38話後の首都方面のお話

ちょっと戦闘シーンが書きたくて思いついたままに書きました。


主人公ではないですが、

無双とかチートとかオレツエーが苦手な人は読み飛ばし推奨。

 ベルカの振るった大剣が唸りをあげて風を切り裂き、金属音と火花を飛び散らせながら影人間の盾ごと相手を弾き飛ばす。

後ろに影人間を巻き込み、転がっていった先で光の粒子となって消えていく。


「あーもう、キリがねぇ。そして鎧が邪魔だ!」


 巻き込まれて倒れた影人間を踏みつけ、叩き落とすようにしてトンファーで殴りつける。

突き出された槍の穂先を左のトンファーで受け流し、続く剣を飛び下がる事で躱す。

黒い軽装な騎士鎧にはいくつもの傷が刻まれ、受け流し、受け止めたトンファーにも無数の傷跡。


「鎧がなければ、その分痛手を被っています」


 ガキっと火花を散らせながら、大剣の脇を滑ってくる敵の剣を小手で受け止め、刃折に引っ掛けて刃をへし折るベルカ。

鎧のせいで動きが阻害され、思うように動かない自分の身体への鬱憤を叫ぶウルに冷静に突っ込む。


「わぁってるよ、そんなこたぁ」


 ウルが左手のトンファーを放り投げる、地面に落ちたソレは耐久度の限界であったのかパキンっと小さな音をたてて折れ、消えていく。

すぐさまインベントリから予備のトンファーを取り出し、敵の剣を、槍を受け止め、殴り返す。

終わらない悪夢のような時間、湧き続ける魔物にHPこそ削られぬものの、攻防の中で人としての精神力は磨り減っていく。


「ちっっ」


 倒れた影人間の手が動く、それはベルカの死角。小さく舌打ちをして身体を割りこませる。

ガキンっと短い鈍い音とともに受け流す事はできずにまともに受けた右のトンファーにヒビが入り、耐久度限界により消失していく。

敵が二撃目を繰り出すよりはやく、スキルを発動させて左のトンファーで殴りつけ吹き飛ばす。


「おいおい、気抜いてる場合じゃっ………」


 軽口を叩きながら振り返った視界に映るのは、敵の槍。ゆっくりとスローモーションのように見えるソレ。

敵の動きは遅く見えても自分の身体は動かない、思考だけが加速していく。


(これは…………死ぬか? せめて右が残ってりゃな)


 敵のスキルが発動し、迫る槍先がぶわりっと何かを纏う。ご丁寧な事だ。

やはりティーガーを………いや、三突でも作って質量と物量で押しつぶしてたほうがよかったか?と脳裏によぎる。


 身体のすぐ近くを風がきる感触。衝撃と共に、敵の盾が凹み撓むのが見える。

数瞬遅れて鈍い発砲音。馴染みのある銃声………ライフルか?と思考の片隅で考える。


 ダァンっと銃声が響き、盾ごと転がっていく影人間。

スタンっと小さな音がして振り向くとソコに立っているのは、壮年の傭兵。


「なっ…………蛇っ?!」


「大佐、敵を発見した。指示をくれ」


 にやりと笑みを浮かべる壮年の傭兵の姿に思わず蛇と呼んだのは、仕方がないだろう。



「こっちはいい、それよりも………」


 言いかけて周りを見ると、他の特務部隊の前にいるのは巨大な3Mほどはあろうかという、血のように鮮やかな紅色をしたスライム。

するするっと石畳を伸びたスライムの一部が影人間の目の前で膨れ上がり、波のようになって包み込む。



「なんだ………アレ」


 小さく表示されたマップに映るスライムのマーカーは緑。NPC、もしくは味方の召喚獣や契約精霊などということ。

スライムというには大きく、凶悪すぎるソレはぐしゃりっと何かを潰すような音、金属の曲がる音を響かせながら、ホラー映画のように次々と影人間を取り込んでいく。


「…………可愛いですね」


 ぼそりとつぶやくベルカに、一瞬ウルの思考が止まる。

可愛いのか? お世辞にも可愛いとはいえず、どちらかといえば恐ろしい、気持ち悪い。

緩みかけた空気に、目の前の穴からひときわ大きな影が溢れてくる。

がちゃりと金属音をさせたそれは、騎士の影がそのまま質量をもったように鎧を着こみ、巨大な剣と盾を持っている。


「おいおい、ここにきてボスキャラか?」


「大佐、指示は?」


「蛇……「オーダー、サーチアンドデストロイ。見つけ次第破壊」


 無理だと言いかけたウルにかぶせるように、抑揚を感じさせない声でベルカが口にする。

ぴくりっと小さく眉毛が動き、少しだけ照れているのがウルにはわかった。


「了解した、我が主………それと大佐、私の名前はネームレスだ」


 くっくっとおかしそうに肩を震わせて笑いがら影騎士の前へと歩を進めるネームレス。

歩きながら両手にはダガーを取り出し、逆手に握る。

ガチャリっと音をさせて影騎士が剣を向けるのに対して、両手を前に出し自分を抱きしめるようにダガーを構える。

少しでも武道の心がある者が見れば、それは隙だらけで、見栄えだけの構えだとわかるだろう。

ソレを理解したベルカが止めようと口を開く前に、影騎士が石畳を蹴って鎧を着ているとは思えない速度で

盾を構え巨大な剣を前にだして突進する。


「おっと…………」


 ふらりっとまるで力が抜けて姿勢をくずすように右によたよたと崩れるようにして倒れこむ。

敵の突進に当たる寸前に身体をひねって躱す。

凄まじい音を立てて急制動し、通り過ぎたところでくるりっと踵を返す影騎士に小さく肩をすくめるネームレス。


「今度はこっちだな」


【気配希薄】【風景の色】


 ゆらっと陽炎のようにネームレスが揺らいで見え、ベルカが何度か瞬きをする。

注視していなければ見失うような存在感の無さ。目の前に、ソコにいるはずなのに見失いそうな錯覚。

巨大な本棚にある1つの本といえば通じるだろうか?注視していればそこにあると分る。

しかし、そうでなければあるのに、そこにある事がわからない感覚。


 すっと足を踏み出す、あくまで自然体。

一歩踏み込むと同時におもいきり身体をかがめる。存在感の希薄さと混じって相手には一瞬消失したように感じられる。

ぴくりっと影騎士の構える巨大な剣が目標を見失ったように揺れ、左右に動く。


「しっっ!」


 逆手に持たれたダガーが火花を散らして鎧の上を滑っていく、ガキリっと途中で溝にひっかかり鎧の繋ぎ目。

薄い部分に刃の先が食い込む。

そこでようやく存在を認知したのか、巨大な剣の柄が振り下ろされていく。



「おっと」


 くるりと身体をずらしながら左に回る。

回りながら勢いをつけ、左手に握りしめたダガーを勢いのままに相手に突き刺す。

巨大な盾が構えられて、受け止められる刹那、身体のちからを抜いて手をとめて後ろに飛び下がる。

戸惑ったように停止し、飛び下がるネームレスを睨むヘルムの中の瞳に映るのは目の前に

くるくるとまわりながら飛んでくるシェイカーのような金属玉。

一瞬の閃光と共に爆発。熱と衝撃が影騎士をうち、ぶわりっと水のように炎が影騎士を包み込み燃え盛る。

怒りと共に唸りをあげた影騎士の咆哮で一瞬のうちに炎は消え去るが、ところどころから煙がでている。


 くいくいっと手首を挑発するように動かすネームレス。

影騎士のヘルムから覗く紅い瞳の光が増す。怒りの咆哮をあげて剣を構え、ゆっくりとネームレスへと歩を進める。


「そこ、罠だ」


 カチンっと小手とダガーをこすり合わせると散る青い火花。

火花が火花を呼び、小さな爆発が連鎖するように伸びていき影騎士を包み込んでいく。

爆発が収まり、ゆっくりと土煙が晴れていく。

ベルトのポーチに手を入れ、再度握られているのは先程と同じような金属玉。

下手でゆっくりと投げられたソレ。

先ほどの事で学習したのか、盾を構えその身を隠す影騎士。


「残念だが、不正解だ」


 パンっと小さな破裂音と共に広がるのは冷気。

バキバキと音を立てながら影騎士の盾を凍りつかせていく。


【気配希薄】


 凍りついた盾を下げ、剣を構える影騎士へと走りこんでいくネームレス。

ダガーを持った手を振りかぶり、影騎士の巨大な剣が右上から振り下ろされていく


【ターゲットコントロール】【一瞬の幻影】


決闘のワンシーンのように剣とダガーが交差する。

かくんっと膝をつくネームレス。

勝利を確信したのか、くるりっと首をウルのほうへと向ける影騎士の背後。

膝をついていたはずのネームレスがゆっくりと溶けるように消えていき、ダガーを振りかぶったネームレスが現れる。


「フェイクに決まってんだろ?」


【クリティカルチャンス】

【バック・スタブ】


 禍々しい紅がネームレスのもつダガーに宿る。背後からの一撃必殺のスキル。

スキルの補正により凄まじいほどに貫通力と殺傷力を強化されたダガーが首筋の装甲の繋ぎ目から影騎士に突き刺さる。


「…………(決め台詞考えてなかった)」


 カチンっとダガーの柄に付けられたボタンを押し込む。

影騎士の背を蹴ってネームレスが離れると同時に真っ赤な閃光を放つダガー。

拭きあげるような灼熱の炎が刃から溢れ影騎士の鎧の中に充満し、隙間から吹き出す。

声にならない叫びを上げながら、よろよろと数歩動き、ネームレスのほうへ向く。

がちゃりっと音をさせて一歩踏み出し、そのまま崩れ落ちながら光の粒子となって消えていく。


ちなみに、ネームレスさんはゲーマーです。

ゲーマーの才能で戦闘しています。


リアルでしろって?無理無理無理 こけて足くじいて秒殺されるわ!とはネームレスの中の人の談。


気配を極限まで薄めて、認識させずらくして、相手の隙をついて

姿をくらませたり、固定ダメージ系などのダメージアイテムを使っています。

本来のRCOだとこの戦闘スタイルじゃゲームにならないのですが

演算や処理がHALによってリアルに特殊な改変をされているので、通用します。


ハイオークとの戦闘では斬り合いながら、隠遁によって姿を消してダガーの軌道をごまかしたりとかしていました。

目の前にいるのに知覚できないとか

瞬きした瞬間に消えてて、目の前に刃が迫ってるとかチートですよね。


使ったのは手投げ弾、アイスマインの投てき型

火花が連鎖していくのは爆導索です。

最後のは、ターゲットコントロールという一瞬だけ敵の視線を誘導する

使う人によって評価が180度変わるスキルです。

視線をずらしたその間に幻影を生み出して、隠遁で姿を消して背後にまわり

背後、敵に気づかれていないなどの条件で発動できる

アサシン、シーフ御用達のバックスタブにクリティカル率アップを併用。

鎧の中にイリーナに作ってもらったダガーに組み込まれたギミックで

ダガーから炎を吹き出させています。


スライムちゃん無双も書こうとしたけど

不定型のねばねばさんの戦闘描写は私には難しかったです。

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