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最近スランプでした、ごめんなさい。

ガールズラブとボーイズラブのタグを付け、タイトルの文章に警告文を追加するなど少し変更しました。

今更ですが、TS、GL、BLに嫌悪のある方はお戻りください。



 風を斬る音と何か固い物に金属が当たる音が裏庭から響く。

ふっと視線を裏庭のほうへ向けるとルー君が訓練用のかかしに向かって剣を打ちこんでいる。

薙、払い、斬る。そして突き込む。


 …………綺麗な打ち込み。

システムアシスト無しでああいう動きができるっていうのは凄い。

スキルとレベル抜いたら勝てなさそうだよね、こうなんていうのだろう?

ちっぽけのプライド? なんか悔しい………才能の差に嫉妬とでも言えばいいのかな?

けど、ん~なんだろう? 小さな違和感?

ルー君の動きは見ていてこう、なんだろう? 綺麗というか洗練されてるんだけど。



「お姉様、それはきっと突きの動作が剣ではなく、槍に見えるからですわ」


 びくっと身体を震わせ、背後から聞こえた声に振り返るとディアナが小さく微笑む。


「おかえり………声にでてた?」


「いいえ、顔に書いていましたわ」


 そっか、声にだしていたのかと思った。

ルー君を見ながらひとりでブツブツ言ってたらあぶない人だよねぇ。

うーん、それにしても一生懸命で可愛い。

思わず頭を撫でたいと思うぐらいに可愛い。


「お姉様は本当にわかりやすいですね。先にテラスで待っていますね」


「………………お姉様は私の嫁」


 くすくすと笑いながら微笑ましいものでもみるようにティセリアとルードヴィッヒを交互に見るディアナ。

ひょこりっとディアナの後ろからルーリが顔をだし、一言だけいうと跳ねるように二階へと上がっていく。


「ルー君、先に2階に行ってるよ!」


 ルードヴィッヒが、右足を後ろに引いて重心を移し、溜めるような動作のあとに大きく踏み込み剣を突き込む。

ズバンっと一際大きな音が響く。

一呼吸おいて、ゆっくりとルー君がこちらを振り返る。

金色の髪がきらきらと太陽に光を反射してすごく映える。


「おかえりなさい、汗流したらいきます」


 にこりっとこちらを向いて微笑む。

思わずドキリとして思考が一瞬停止する。

いやいやいや、違う違う。絵になるってだけで私はノーマル、ノーマル。

普通に女の子が好きです、マッセみたいな胸とか………。


「ティセ~? 真っ赤になってどうしてん、うちがおらへんと寂しかったん?」


 不意に背後から体勢を崩されていつの間にかマッセの胸に顔を埋めるような形で真正面から抱きしめられる。

薄いシャツごしに触れる胸の感触と甘い体臭にクラクラする。

かぁっと顔が熱くて真っ赤になっていくのが自分でもわかる。


「ちょっ、マッセ。胸っ、胸がっ、いあ、えっとだから離して!」


「ん~? ええやん? 女同士やしぃ、ティセがうちの胸に欲情してるんかとおもてサービスしてん」


 ぎゅぅと頭に手が回されて更に抱きしめられる。

いや、えっと、なんで思考読まれてるの?! いや、それより幸せだけど死ぬ、いろんな意味で理性やらなにやらが!


「あはは、ほんまティセは可愛いわ…………ティセなら別にかまわへんで?」


 パッと手を離してティセリアを胸から開放すると

いつものように笑いながら真っ赤になったティセリアの頬をマッセが指でふにふにとつつく。

身体を離し際に耳元でぼそりっと真剣な声色でささやき、ティセリアを更に真っ赤にさせて。

ひらひらと手を振りながら先にいってるでーと階段へとむかっていく。






 店の二階、ベランダというよりは一部屋分を潰して作れられた”庭”には様々な花や植木が置かれ

日よけの大きな傘の下には白い凝った細工の掘りこまれた机と椅子が4つ置かれている。


「ぁ、えっと………」


 最後に上がってきたルードヴィッヒが少し困ったような顔でティセリアを見つめる。

用意されている椅子は、4つ。マッセ、ディアナ、ルーリ、ティセリアで4人。

食堂には、机の大きさに遇うように余分に椅子が置かれていたが、この場所へは4人しか来ないため椅子は余分には用意されていない。


「ルー君こっち」


 ちょいちょいと手招きするティセリアの側まで歩いて行くルードヴィッヒ。

シャワーを浴びたところなのだろう、湯上りの匂いと石鹸の匂いが心地良くティセリアの鼻を刺激する。


「はい、あの…………?」


 じっとルードヴィッヒが困ったようにティセリアを見上げた途端に彼の身体が宙に浮く。

ひょいっと重さを感じさせないような動きでティセリアがルードヴィッヒを抱き上げて膝の上に座らせる。


「これでオッケー」


「…………………ぇ、あ、あ……あの……ティセさん……?」


「ん?」


 ぎゅぅっと後ろから手を回して抱きつくティセリア。

彼の癖は考え事をする際に大きめのクッションを抱くようにして持つこと。

そして、ちょうどすっぽりと収まるようなサイズのルードヴィッヒ。

最初は席がないなら、小さいから膝の上に座らせようかと冗談とからかうような軽い気持ちで抱えたのだが

無意識のうちにティセリアがぎゅっと後ろからルードヴィッヒを抱きしめて頭に顎を置く。

みるみるうちに頬を真っ赤にそめたルードヴィッヒがしどろもどろになりながら、ルーリの視線に押されるように何かをいおうとするが

ティセリアは無自覚なのか、撫で撫でと手触りの良いルードヴィッヒの頭を撫でる。


 さらりっと金色の髪の毛が頭の上から零れてルードヴィッヒの顔にかかる、ほんのりと甘いような匂い。

ズボン越しに伝わるティセリアの太ももの感触とそして、抱きしめられた事で後頭部に押し付けられる柔らかな感触。

思考もできないほど慌てるルードヴィッヒ、それにまったく気づかないティセリアを見ながらマッセは声もでないほどに爆笑している。


「………………殺してでも代わりたい」


 むぅっと視線だけで人が殺せたなら何度ルードヴィッヒが死んでいるかわからないほどの視線でルードヴィッヒを睨むルーリ。

ティセリアばかりがそれに気づかずに、撫で撫でとルードヴィッヒの頭を再度撫でる。


「ん~~~石鹸の匂い………なんだろう? すごくしっくりする」


「あ、あの……ティセリアさん、こ、この体勢はちょっと………恥ずかしいです」


 恐らく自分の置かれた状況に本能と理性が必死に格闘した結果、からくも理性が勝利したのだろう。

マッセの笑いが収まり、涙を拭っている頃にようやく搾り出すようにつぶやく。


「ん? ごめん、落ち着くから………だめかな?」


 先ほどまでは、恐らくこのあと何か起こるであろうHALのいう一週間の期限。

街ゆく人はまばらで、ほとんどのプレイヤーが緊張や恐怖を感じており街全体の雰囲気は重い。

ティセリアも例に漏れず、本人は気にしていなかったつもりだろうが、どこかちがった。

それがルードヴィッヒを抱えた途端落ち着いたので、ディアナもマッセも、ルーリですら邪魔をしなかった。

そして、落ち着くからだめ? と囁くような優しい声で耳元で言われたルードヴィッヒが拒否できるはずもなかった。


「それで、お姉様本題ですが………まとめましたのでコレを。情報元は”星界”です」


 メッセージ機能で送られてきたディアナからのメッセージを開く。

書かれているのは、世界地図と詳細な敵戦力とその数、将来の予想戦力。

その後の各勢力の予想進路図と敵勢力ごとの同盟関係等々。

一番大きく目立つように書かれているのが奈落からの北の進軍矢印と規模で

それに対する各巨大ギルドによる防衛戦闘の計画から、撤退戦闘をすることにより戦意向上などの狙いから

各ギルドの考えや派閥にいたるまで事細かに記されている。

中でも目を引くのは二枚目に書かれている最終防衛線への物資とプレイヤー、黒騎士中隊などがNPCの国や都市から協力をとりつけ出向させた戦力の移動、配置。

そして、それらを誤魔化しての撤退に使用する以上の物資の移動と戦力の移動。


「………………情報筒抜け?」


 何こいつら使えないというような顔でつぶやくルーリ。


「”星界の黒幕”が本気をだしたのですから仕方がないとも言えますわね」


(あの………”星界の黒幕”って?)


 少し顔をあげて、トーク機能でルー君からチャットが入ってくる。


 んっと、知らないよね。

星の門って呼ばれるゲートを通った先にあるもう1個の世界のことで

ここが第7世界。そこは星界って呼ばれていて、第8世界。半年前の拡張アップデートでの追加世界だね。

その世界はプレイヤー同士もしくは、ギルド単位で特殊ルールで戦争して覇権を争って3ヶ月毎にリセットされる

順位に応じて色々特典がでたりをするんだけどそこを表にでないで終盤にすべてを裏切ってトップを取ったギルドがあってね。

その時に裏外交をして、表に正体をださずに情報を集めて情報を操作して、各地にスパイ、本人はただの知り合いっていうんだけど

を潜ませて工作したプレイヤーがいてね、そのプレイヤーについた2つ名が”星界の黒幕”


(すごいですね)


(んー………詐欺まがいだし、なんていうか私は受け付けないからルー君はそういうのになっちゃだめだよ?)


(はい!)


「んっと、それについて黒騎士中隊から第2魔防壁で魔法陣と装備生産の依頼があったんだよね」


 ぎゅーっとルードヴィッヒを抱きしめて、肩に顎をのせる。

時折ルードヴィッヒに向かって動くティセリアの視線が以下にも2人でないしょ話をしていますという感じである。

それを気づかれていないと思っているのか、普通に会話を進めるティセリアに

マッセは笑いを必死に押し殺し…………膝を叩いて笑っていた。


「お姉様、それは……いえ、それ以前に移動に時間が「うーん、なんていうかそれ危ないなそうやん? どう見てもコレ第2魔防壁で決戦するんちゃうん、だまされてへん?」ちょっと、マッセさん……」


 ディアナが飲み込んだ言葉をマッセが割り込み、言ってしまう。

くすりっと笑いながら小さくありがとっと言ってからティセリアが言葉を返す。


「色々と聞いてきたよ、黒騎士中の上層部から直接ね。えっとそろそろ時間だから、終わってから細かい話はするよ」


 その言葉に釣られるように皆が見上げた空にノイズが走り始める。


最近スランプで活動報告でもちらっと書いたのですが

書きたいように書くことにしました。

うまく伝えるように書けるかわかりませんが、

意見や感想を無視するとかそういった事ではないです。

万人受けするようにとか、そういう事を考えないで

書きたいように書こうという感じです。


TSで男の子とラブラブでもいいじゃない!

ということで、途中から書きたいようにかいたら筆がさっくりと進みました。

なので文章的や設定的におかしいところなどあればつっこんでくださいませ。


ちなみに、この何かを抱えて考え事をするのは知り合いの癖です。

知り合いは大きなクッションを抱きしめてると落ち着くそうです。


あと、主人公は”あの戦闘”には今のところ関わる予定はないです。


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