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先に書いておきます。

推敲をほぼしていません、見苦しくてごめんなさい。

 今日はすごく寝起きがよかった、なぜだろうか?うーん?

午前6時を過ぎて太陽でる時間にシステムが切り替わってもいつものような気だるさがない。

んーーー、悩んでもしょうがないかな?

考え事という程のものでもない、たわいない思考をそう結論づけて終わらせる。

インベントリにはミリアルドに頼まれた銃のパーツが20セット、考え事をしながらつくっていったら

いつの間にか数が増えていたけど………うん、気にしちゃだめだ。


 ミリアルドにメッセージを送信して工房からでると裏庭の方から人の気配が感じられる。


「………雑念が……………あんな夢が………」


 何かぶつぶつと呟きながらルー君が素振りをしている。

こんな朝早くから真面目……んー、だからアレだけ"強い"のかな?

ゲームとはいえ、仮想空間だから練習や経験は反映されるからなぁ………懐かしい。

私もこのゲームが始まったばかりの頃は、必死に仕事をしながら空いた時間で武器の扱いとかを練習したなぁ。

ふっと悪戯を思いついて、スキルで足音と気配を殺しながらゆっくりとルー君の後ろから近づいていく。

そろり、そろりと…………手には冷えた冷たいタオルを持って。


「?!」


 ヒュっと風を斬る音が聞こえるのと同時にルー君が振り向いた瞬間に剣が突きつけられている。


「っぁ、ご、ごめんなさい。後ろで気配がしたのでっっ…っっ! ご、ごめんなさい~~!」


 こちらに気づくと慌てて剣を引いて、謝る。

そして顔を上げて、視線が合った瞬間に耳まで真っ赤になって

何故か謝りながら走って逃げていってしまう。


「ぇっと??」


 脅かそうと後ろから近づいて、スキルで気配も足音も消してるはずなのに気配でばれた。

うん、ここまでは良い。

それで、剣を突きつけられて謝られた。

これも問題はない。

目が合ったら真っ赤になって逃げられた。

なんで??







 朝食を終えて店のカウンターにいつものように座る。

ミリアルドから先ほど返信が届いた、10時には来るらしい。

けれど、暇………ダウンロードしてストックしてあった小説はほとんど読んでしまったし

ゲーム内掲示板に目新しいスレッドは立っていない。

掲示板といえば、話題になっているネタキャラとネタネームでゲーム中に取り残された人はどうなったんだろう?

ん? うわ、凄い…………。


 店内に入ってきた人物、黒い眼帯にくすんだ藍色のバンダナ、迷彩服にサバイバル用のベストを着込んだ壮年の男。

よほど現実で修練を積んだのか、ゲーム内のスキルが凄いのかわからないけれど………

入り口からカウンターへ歩いてくる間に足音もなく、見えているのに気配もしない。


「報告を」


 一瞬だけど表情が動いた壮年の男。すぐに無表情に戻る。


「大佐、装備の補給をしたい」


 どうみても、バンダナから無限に弾丸を取り出せそうな人だったので冗談で言ってみたら返ってきた。

店内にいた買い物客からもぼそぼそと「本物だ」とか言う声が漏れている。


「んっ、ごほん。すまない、装備を欲しいんだが?」


「はい、どんなものを?」


「そうだな、ダガーを2つ、あと属性オイルは作ってもらえるだろうか?細かい品はこっちで」


 彼が持ってきた注文カードで買った品物は、投げナイフ、煙幕弾、手榴弾。

投げナイフ、手榴弾と煙幕弾とかは結構売れている。

最近増えてきた中級者の本職の”ソレッポイ”人達からも注文がはいるので結構な数を店に置くようにしてある。

一度疑問に思って聞いてみたのだけど、慣れている物のほうが使いやすいのだそうだ。

属性オイルは、武器に塗って使う属性付与のアイテム版。使い勝手はそれほどよくないので滅多に買う人はいない。


「ダガーはオーダーで?」


「あぁ、仕様はメッセージで送る。代金のほうだがこれで頼めるだろうか?」


 ごとんっとカウンターに置かれたのは鉱石の塊。

それもリザードの生息する沼地の奥でしか取れないスケルニウムという鉱石。

メッセージで送れてきたダガーの仕様を確認しながらうなづく。

……!? 差出人の名前をみて吹きそうになってしまった。

  ダガー仕様書 from:男気溢れる名無し

なんという……………


「それじゃ、ちょっと作るから30分ぐらいかな?待っててもらえるかな?」


「ここで待たせてもらっても?」


「いいよ」


 なぜか誰も座らない私の座るテーブルの前に座りゴキゴキと肩を鳴らす。


「そういえば、えっと、なんて呼べば?」


「む?そうだな…………な……いや、ネームレスでいい」





 工房から頼まれたダガーを作成して戻ってくると

壮年のむさいおっさんと金髪、髭面のカッコ良いお兄さん、もとい

ネームレスとミリアルドががっちりと握手を交わしていた。むさくる……暑苦しい事この上ない絵柄だ。


「おぅ、ライフルの部品が完成したって聞いて急いできたぜ?」


「はい、ちなみにメッセージにも書いたけれど鉱石の採集場所と注意とかも載せておいたからね」


「すまんな、助かる。しかし、言わなくても俺の考えがバレてるってのもすげぇもんだな」


 ミリアルドが言っているのは、初心者や生産職人の火力うんぬんと汎用性や生産性についての事。

メッセージを送ったときにきちんと書いておいたのだ、違えば指摘して欲しい、材料を変えて作れるからと。


「ん~、まぁ……ね。知り合いにそういう事が好きなのがいるからね。完成したら私に1つとソイツにも1つ上げてもらえるかな?」


「そりゃ構わねぇが………どこのだれだ?」


「ウーティヌルウス………通称ウルさんって言えば通じるかな?」


「ぶっっ! ぁ、すまん。吹き出しちまった。黒騎士中隊の幹部連中の1人じゃねぇか」


 吹き出したミリアルドのつばは、隣に控えるヘル・アーマーのお盆によって防がれている。

うん、優秀な執事です………あれ?店番として作ったはずなんだけど。


「私のギルド皆とと黒騎士は、仲良いから………今朝メッセージ送ったら飛びついてきたよ」


「何から何まですまねぇな」


「ところで、ライフルと聞こえたのだが………」


 会話が一段落したのをわざわざタイミングを待っていたのだろう、ネームレスが割って入ってくる。

気のせいだろうか?欲しいおもちゃを見つめる子供ように瞳が輝いているような?


「おぅ、実は現実じゃガンスミスをしていてな。これから帰って組み立てだ。上手くいきゃ量産できるぜ?」


「是非1つ譲ってもらいたい。もうダガーで近接格闘するのは………」


 何を思い出したのか、遠い目をして哀愁を漂わせながらつぶやくネームレス。


「何いってやがるんだ親友、完成したらすぐさま連絡してやるぜ?」


「おぉ、助かる!これで…………地獄のような日々とおさらばだお…………ごほん、楽に戦闘できるというもの」


 わざとらしく咳払いし、ごまかすネームレス。

たぶんミリアルドは日本人ではないからわからないだろうけど、私には語尾でわかってしまった。

こちらを見てくるネームレスに思わず、にやにやとした視線を返してしまう。


(ちょっwwwwwおまwwwwバレてるwwww すいません、黙っていてくださいおにがいします。女神様)


(あははは、いいよ。大丈夫、ロールプレイしてる人とか好きだから言わないよ)


 にこりと笑い返すと、視線を逸らされてしまった。


「しかし、黒騎士中隊か…………私も参加したいものだ」


 ぼそりっとつぶやくようにいうネームレス。

あのギルドってこういう人らを引き寄せる何かがあるんだろうか?

幹部連中も全員軍オタだったりしたはずだし………そういえば声優マニアな人もいたような………。

こう考えると黒騎士の幹部連中も濃い人達ばっかりだなぁ。


「今一般公募受け付けてるし非戦闘員や生産職も保護ということで受け入れてるよ? 戦闘員になるには戦闘試験と面接とかクリアしないとだめだけどね」


「んじゃぁ俺はこれで工房へ帰るぜ?量産できるようになったらココでも売ってくれよ?ぁ、もちろんカスタムはうちの工房で受け付けるってな」


「商売上手だねぇ、ライフル楽しみにしてるよ」


 そういうとひらひらと手を振りながらミリアルドが鼻歌まじりに帰っていく。


「しかしライフルが作れるのならばAK等は無理なのだろうか?整備性も耐久性も言う事はない……」


「銃はよく知らないけど専門が違うんじゃない?そもそもの構造とかを詳細にわかってないと図面弾けないだろうしさ」


「ふーーむ? では、有志を募れば戦車も?………いかん。その前に試験の申し込みへ行ってくる」













 客足が一段落して、紅茶を飲んでほぅっとため息を吐く。

なんだか視線を感じ…………って、真後ろから見上げられている。


「ルーリ? そんなすぐ近くで見つめられても困るんだけど?」


「…………………………大丈夫、問題ない。至福の時」


 じぃっと見上げてくるルーリ、思わず頭に手を伸ばして撫で撫でと撫でる。


「…………………我生涯に悔いなし」


 笑いながら頭を撫で撫でと撫でる、さらさらの髪の毛が心地良い。

そのままフードの中に手をいれて、獣耳を触る。うーん、すべすべ………。


「………………お姉様、耳は感じてしまう。望みならそれも………良い?」


「よくないです。いえ、良いかもとかちょっと思ったりとかはしたけども!」


「………………ちっ、あと一押し。けどヘタレなお姉様も素敵」


愛玩動物のようにひょいっとルーリを抱えて膝に座らせ、頭を撫でる。

ぁー………平和な日常っていい物だよねぇ

デスゲームになりそうなんだけど………、流通系は中の下辺りまでは回復してきてるし。

一番必要な食事は、鉄ノ鬼が食堂を再開したし、材料部門の頑張りで食材と備蓄も増えてるみたい。

治安維持や首都近隣の魔物の撃退、分布図なんかは黒騎士中隊がやってる。

もうすぐ期日の一週間目か、どうなるかな。


「ぁー翁じーちゃんでもいればなぁ」


 ふぅっとため息をつきながらあの日から今まで発言が1つもないギルドチャットで発言する。


「なんじゃ?テセよ、なにか用かの?」


「は?翁じーちゃんなんでいるの??」


「何をいうとるんじゃ?わしゃずっとアジトの機関部におるぞい?」


 空いた口が塞がらないというのはこういう事をいうんだろうか?

あの日からずっと機関部に閉じこもってたの?っていうかデス・ゲームだよ?!


「ですげーむとはなんじゃ?新しい遊びかの?」


「おじーちゃん………えっとログアウトできないのと、この世界で死ぬとほんとに死ぬってことだよ」


「ふむふむ、なら問題ないの。わしゃまだ一度も死んどらぬしの? ログアウトできぬのはちと困るのぅ、冷蔵庫の草餅の期限がそろそろなんじゃが…………」

 

「ギルドの誰もいないかなーって思ったら居てびっくりしただけだから」


「そうかの?それとガクやらモクリやらがおったがのぅ?なんでもしばらく準備でしゃべってられぬとか言っておったが……まぁわしゃ機関部におるからの、何かあったら呼ぶとええ」


 というかおじーちゃん機関部ってまさか…………アジトを空に飛ばす計画をまだ実行してたの?

いやけど、翁じーちゃんだしやってしまいそうな気もするよね。

「孫が空を飛ぶ城が見たいと言い出してのう、大きな木は生えておらぬがなんとか飛ばぬかとおもうてのぅ」

とか言い出してギルドアジトの機関部をいじってたのは知ってるけど………飛ぶの? 飛ぶのか!?

そしてバルスといえば墜落するのだろうか?

おじーちゃんお願いだから自爆装置はつけないでね?

短くてすいません

小話をいくつかつなげたようなお話になりました。

ゲーム内スレッドで話題になっている、男気溢れる名無しさんの登場です(w

ちなみに彼が初期で選んだのは

気配隠し、音消し、忍足、カモフラージュ、隠遁です。

左から、気配を薄くする、気配察知、生体探知とかにも掛かりにくくなります。

移動時の布ずれや熟練度次第で金属鎧の音も遮断できます。

文字通り足音を消す、熟練度が上がれば走ることも可能です。

光学迷彩もどきです、移動不能、攻撃すると解除される、気配察知などで大体の位置がばれたりなどデメリット多いです。

最期の隠遁は周囲から認識されにくくなるレア能力です。

ゲームが始まる前、彼は外部の某掲示板で

俺、この戦争(キャラメイク)が終わったら女風呂を覗きにいくんだと書き込んでいたそうです。

もちろん、某掲示板系のギルドなんかも残っています。


ライフルはこれで20作られることになります。

1つはネームレスに1つはティセに、たぶん試作品として黒騎士中隊にも。

残りは性能をみて量産されていく事になります。

AK等もきっとその構造を理解していている人がでてくれば

ラインナップに加わることでしょう。


ちなみにティセの店で売ってる手榴弾や煙幕弾、投げナイフは普通の一般アイテムです。

仕様変更後カスタムされたり、"職人"が創りだしたものではないです。


ちなみに、有名などころの2つ名持ちで

覇王、魔王、獣王、撃墜王、空の帝王、氷の魔女とか

メインキャラ以外のモブキャラストックが50を超えました。

けどまだ足りない orz


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