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あのあと、今のは何かと生産組に問い詰められたり、すくりぃむさんが作った夕飯を食べたり

その後誰かが出してきたお酒で、実際に酔ってどんちゃん騒ぎになったりした。

リアルではお酒に酔わないはずなのだが、2杯ほど飲んだら酔った。いや、酔わされた?

初めて酔うという感覚にぽーーっとしていたら、マッセに押し倒されそうになったことだけは覚えている。

お酒耐性の熟練度が3,1まであがりました。


「あかんわ、ごっつ頭痛いわ。なんでRCOでまで二日酔いあるねん」


マッセが顔をしかませなががら、痛み止めのポーションを飲んでいる。

実際の頭痛薬等とは違い、効果は即時でるもので、飲み終わった瞬間にはケロっとしていた。

ぁ……酔わないポーション飲めばよかったのか!

けど、まぁ酔うという初めての感覚を味わえたのでよしとしようかな?


「さて、それでは帰りますかね?街へ帰るまでが遠足ですよ」


キャンプの撤去も終わり、集合したメンバーを見渡してすくぃりむが、定番のネタを入れてそう切り出す。


「おうよ、いやぁしっかしRCO内でも酔える日がくるたぁな!感無量だな!」


いまだに酒瓶を片手に上機嫌で話しかけてくる御舟。

息が凄まじくお酒くさい、というか何本飲んだ!?

私が見てただけで5本ぐらいラッパ飲みして…………人間じゃないな。

そのまま後衛の位置に行くとまた、お酒をラッパ飲みしている。


「では、私とギドで先陣を務めよう」


「え?拒否権を行使s……すいませんでした」


さらりっと肩に掛かる髪の毛を手で払いながらツェツィが

ギドを引きずって隊列の先陣組に混じっていく。


<<スピリット・ウィンドウルフ>>


来たときとは逆に、殺風景な景色に緑が混じり、森へと変わっていく。

殺風景な景色よりやっぱり、緑豊かな景色の方が見ていて気分が落ち着く。

森を抜けて平原へ差し掛かる辺りで、全員が止まる。私がギルドホールへと立ち寄るのでここまでで良いと言ったから、わざわざ皆止まってくれた。

マッセはもれなく付いてきました。


「ティセリアさん、是非、是非帰ったら僕とデー「てめぇはそれしか言わねぇのかよ!」……いてぇっすよオヤッさん」


誠一が手を握って口説き始めようとした所で御舟の拳骨が頭に炸裂する。

この漫才いつまで続くんだろう?


「世話んなったな、すくりぃむの奴が言ってたが何かあったら頼ってくれ」


すっと御舟が手を出す、差し出された手を握り返す。

ごつごつとした、男らしい手だ。そうか、肌の感触が再現されるって事はこういう所まで再現されるのか。


「では、帰ったら連絡をしてほしい、修理をお願いしたいのでな」


<ギドからフレンドの申し込みがありました>


「そういえば、ギドさんとはしてなかったね。よろしく」


ツェツィさんや御舟さん等みんなと、それに酔った勢い?で誠一ともフレンドリストを交換してしまった。

誠一のはいらない、うん、まぁオモシロイキャラなのでいいか……?


「んじゃ、また!」


お互いに手を振って別れる。

皆が凄まじい勢いで街の方へと走っていくのを見送る。

今思えばあんな速度で走っててよく転けたりしなかったよね、大惨事になるよ。


「ギルドホールでなにするん?ってか、このへんにギルドホールってあったん?」


「んぁ?あぁ、すぐそこだよ。掲示板みたら拠点とギルドホールの相互転送は利用できるらしいからしとこうと思って」


マッセが怪訝そうに聞いてくる。

この辺りにあるギルドホールって、うちのギルドホール以外無かったはずだけど?


「いや……なんでもないねん…………」


歯切れの悪いマッセを疑問に思いながらもてくてくと平原を歩いて行く。

さわりっと風が草を揺らし、土と草の匂い、それと潮の匂いを含んだ空気が髪の毛を撫でて通りすぎていく。

靴越しに地面の感触と草なんかの感触も感じられる。

演算能力の向上や、プログラムの追加でここまでリアルになるんだなぁ。

ん??プログラムの追加???

ハッキングして直ぐにここまで出来るものなのか?

そこまでの性能と知識がある?もしくは、事前に準備していた?暴走前に?

もしくは、暴走をしていて準備が完了したのでハッキングした?

だめだ、現時点では答えはでない、置いておこう。

幸いにもモンスターに会うこともなく、寝転がって日向ぼっこがしたくなるような日差しをうけながら歩く。

しばらく行くと海岸近くの丘がみえてくる。

丘の上には巨大な城、その周りには黒い点………ギルドガーディアンが多数配備されている。

近づくと漆黒の鎧騎士の大軍がずらりっと整列し、こちらを向いている。


「ちょ、ちょっ、ティセ?ここなん?マジで?ここってあれやで?「「あの」」天魔の囲炉裏のギルドホールやで?!」


裾をひっぱり、やばいで!?と慌てるマッセ。

ずらりっと並んだ漆黒のヘルアーマーの一団が道を開け、膝をつく。


「オカエリナサイマセ、ティセリア様」


「あれ?言ってなかった?そかギルド表示オフにしてたっけ」


ステータス画面を開いて、ギルド表示をONに切り替える。

名前の上に所属ギルド 天魔の囲炉裏と表示される


――

天魔の囲炉裏

在籍人数18人

一芸に長けた者が多く、またギルドホール所有ギルドの中で最低の在籍人数(平均50-60人)

ギルド間の交流も結構しており、他有名ギルドと親交が深い

赤い牛乳事件や、パンツじゃない事件等を起こした事で有名である。



他有名所

戦争ギルド テスタメント、白亜の迷宮、韮同好会、黒騎士中隊、撲殺同盟

生産ギルド 鉄ノ鬼、チューリップ幼稚園、RCO農耕部、生産鍛冶屋組合、幸運の女神

PKギルド 不死身、死霊の歌、生殺与奪

闘技場ギルド 銀の冠、黄金12使徒 

――





固まったマッセを引き摺りながら、お城の中へ。

ヘルアーマーの隊長クラスが先導し、エスコートしてくれる。

これも変更点?こういった事は命令しないと動かないし、もっとぎこちないはずなんだけど……。

城の周りを巡回するヘルアーマー等の動作がやけに生々しい。


城の中へ入るとギルドメニューを表示させる

ぅーん、ギルド機能は変更されてないっぽいかな?ぱっと見た感じだと全部正常みたい?

今のところ使えない機能は、掲示板には書かれていなかったし大丈夫かな?

拠点リンク>本拠地設定>#5

で雑貨屋2Fの空室とゲートリンクを繋ぐ。

うん、これでよしっと………あとは、畑の生産品の確認を


「はっ!?まてやああああ!なんでヘルアーマーがこない数おるねん!っていうか全部カスタムされてるやんけ!ってツッコミきれへんわ!」


「ぁ、復活した。おかえり?」


固まっていたマッセが絶叫しながら色々突っ込んでいく。

気持ちはわかるけど、突っ込んだら負けだと思うよ?


「まぁええわ、もうなんか突っ込んだら負けやな………」


「あはは、そりゃ私もこのヘルアーマーを見たときは、同じこと言ったからね~」


私もこのヘルアーマーを見たときは絶叫したんだよねぇ

犯人の翁じーちゃん曰く、暇じゃったので城といえば騎士!ということで溜まっていた鉱石を消費してみたのじゃとの事。

確か1500体のヘルアーマーと、弓装備が500体、ファントムメイジが200体だったっけ。

私の持っている鉱石でもそこまで作れないから……どれだけの時間を使ったのか、リアルおじいちゃんは、暇だったそうです。


「んじゃ、畑収穫して種まき設定したら帰ろっか?ゲートで帰れるし」


確か畑も翁じーちゃんが、暇だっていって手入れとかして凄い事になってた気が……

なんで、畑でミスリルが取れるんだあああって他のメンバーが絶叫してた記憶がある。


「今更やけど、ティセってサブマス権限あるんや?」


ぺたぺたと近くで立っているヘルアーマーを触ったり覗いたりしながらマッセが聞いてくる。

心なしか、ヘルアーマーが恥じらって、頬を染めているような……って鎧が色かわるわけないよね。

気のせいに違いない。


「代理ギルマス権限持ってるよ」


ギルドホール生産物取得

月夜草  130

アマルガム15

ミスリル 30

牛肉 30

牛乳  100

霊草   35


種まきは……自動っと………。ほんとなんで、畑で金属が2つも取れるんだろう?


「んじゃ、行くよ~?ゲートオープン#5」


ブォンっと機械のような起動音が聞こえ、足元に白く輝く魔法陣が浮かび上がる。

ふわっと浮き上がるような浮遊感と共に視界が光に包まれていく。

ゆらりっと一瞬揺らいだような感触がして、瞬きをすると雑貨屋2階の空室に到着してた。


「うぷっ、なんやこれが転送酔いちゅうやつか?気持ち悪い………」


「確かに……きついね……」


手で口元を押さえてえづくマッセ。

私も微妙に気持ちが悪い。狩場へ行くのに転送サービス(PCが行っている)をよく使ったけど

ここまで、酷く酔う事はなかった、感覚がリアルになった弊害?

後で掲示板のスレに報告を書いておくかな。


「あ、あかんわ、うちちょっと休んでくるわ」


ふらふらと口元を抑えながらマッセが自室へと引き上げていく。

日中特有の気だるさとあわせてお昼寝といきたいけど

店頭在庫のチェックしとかなきゃ………。

回復ポーションの売れ行きはいつも通りだし、補充するとして……。

状態異常はやば過ぎるということを今回の事で思い知ったので救急箱セットとかにして

各種状態異常ポーションをセット売りとよく使う物をバラで売りにだすかな?

麻痺、毒、熱、痛み止め、火傷、凍傷、暗闇、猛毒、神経毒、石化……

あとは、思いつくようなのは無いかな?

種類多いなぁ………とりあえず纏めて売りにだして、売上をみてから売れ筋を多めに在庫置いておこう。

相談承りますとか書いておこうかな?


あとは…………使い捨てアイテム系統かな?

ボムとか安価なのは今も置いてるけど、お守り用に高価なのも置いてみる?

けど、ソレを頼みに狩りをする癖がついて

デスゲームになったあと効かないような事があれば死ぬ可能性もあるし……。

できればポーションや、使い捨てアイテムに頼らない戦闘の仕方を身につけてほしいけど。

命が掛かってここまで恐怖や痛みがあると、ゲームの頃のように偉そうな事は私も言えないしなぁ。


アイテム作成→エンチャント→魔法封入

<<エンチャント>>


サファイア【スピリットウルフ】

サファイアの中にスピリットウルフの魔法を封じ込めた物。

使用者の意思に反応し、魔法が発動する。

スピリットウルフ(チャージ1/1)     


サファイア【スケルトンナイト】

サファイアの中にサモン:スケルトンナイトの魔法を封じ込めた物。

使用者の意思に反応し、魔法が発動する。

サモン:スケルトンナイト(チャージ1/1)     


こんな物かな?

スピリットウルフは好きな魔法なんだよねぇ。

唱えると狼の霊が何匹も出現して敵に跳びかかって敵を噛みちぎって消えていく。

スケルトンナイトの方は、初心者エリアのボスぐらいなら時間稼ぎにはなるし……。

値段どうしようか?購入数に制限つけて安めでいいかな?1000glにしておこう。

よし、これで寝よう!

1日違う寝床で寝ただけで、こうもベッドが恋しくなるとは思わなかった。

おやすみなさい。

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