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「今日の仕入れ分渡しておくで~?」


「うん、それで他の店はどうだった?」


「大概ぼったくりかやねぇ~、1-2割ぐらい適正価格の店もあったんやけど、在庫なしやね」


少し悩む様子のマッセ。思い出すようにおでこに手をあてている。


「やっぱ、材料追いつかないか……」


ふぅっと自然とため息が漏れる

手持ちの材料だって無限ではない。

初日ということで初心者の数はそれほどではなかったが

売り始めて直ぐにあそこまで客が増えた、最悪の場合供給が追いつかない。

早めに一度ギルドホールとギルド領地の様子を見に行きたい。


「そない気にせんでええんとちゃう?人は人やし、それにちゃんとしてる人もいるやん」


「そうなんだけどさ?」


「ティセだけが頑張っても世界は変えれへんで?皆落ち着けばちゃんとするって信じるしかあらへんで?」


完全に執事と化したヘルアーマーのいれた紅茶を飲みながら話す。

最初の頃は憤りを覚えたが、大分なれたのか冷静に考えられるようになった。

少しづつだが、適正価格の店もでてきてるようでなによりだ。


「そうだね……」


「それと、うちの知り合いが今のうちにって明日サーラム鉱山いくらしいけど、ティセもいかへん?」


「サーラムか……たしかに、あそこで取れる鉱石はもうちょっと欲しいけど……熱いんだよねぇ」


サラーム火山地帯。

上級者に成り立てぐらいのプレイヤーが篭る狩場を兼ねた鉱山だ。

火山岩や黒曜石といった火山地帯特有の鉱石が取れる。

中でも上級火晶石等は産地が少ない。


「ほな、いかへん?2日で帰って来れるし」


「ん、わかった」


「おっけ、返事しとくさかい。明日のお昼にはでるで?用意しといてな」


よしっ!と嬉しそうにマッセが指を慣らす。

いいなぁ、アレ。指パッチン?音鳴らせないんだよねぇ。



「あいあい」



お互いに1日の出来事や目ぼしい話等をしてからそれぞれの部屋へと戻る。


アナウンスの日から二度目の夜が来る。

ゆっくりと太陽が決められた時間通りに沈む,夜と昼が入れ替わる時間。

部屋に差し込んでいた夕日の光が徐々に弱くなっていき、それに併せて外の街灯に灯りがともっていく。

時計が18:00になると完全に日が沈み、夜へと変わる。


すっとまるで憑き物が堕ちたように軽くなる身体。

やっぱり、アレかなぁ………。

種族特性が完全再現されてるって事だよねぇ。

ベッドに腰をかけて、遠くの山に昇りはじめた月を眺める。


RCOヴァンパイアというのは、日光で滅んだり聖属性攻撃に極端に弱かったりはしない。

多少魔法適正が強い種族というだけだ。

ただし、レベルが上がると激変する、強くも弱くもだ。

50lvを超えると日中は、ステータスが30%までダウンする。条件次第では50%に抑えることができる

逆に夜になれば180%のステータスとなる、条件次第では更に強化される。

霧化、高速再生等々色々な特性が発現する。


<<エンチャント・マジック>>


小さくため息をつく、気のせいでなかったとわかる。

手に魔力を集中させると青白く火花が散るほどに魔力で覆われている。

このスキルじゃうっすら発光する程度だから……。

ということは、日中の気だるさと寝起きの辛さは、日中弱体の影響かな。

説明は、ステータスダウンと虚脱感とされていた。なので、再現されていなかった虚脱感も実装されたのかな。

夜の今は、強化の影響でなんでもできそうな錯覚すら覚える。

今のうちに売りに出すアイテムに全部レベル制限を付けてしまおう。


初級ポーション++ HP150を回復する

初級ポーション++ HP200を回復する 制限:レベル10以下のみ


永遠と繰り返しレベル制限をつけていく。

そしてマッセが仕入れてきた材料を使って追加で生産する。

スタミナが生産する度に減るが、疲労はない。減った瞬間には完全に回復している。


うーーん、これいいなぁ。生産は夜だけにしようかな、お昼やると凄く辛かったし。

しかも、工房でやる時と変わらないぐらい?おかしいな、生産能力はそこまで恩恵受けないはず……

そういえば、再生能力ってどうなんだろう?

金色の髪をひとつまみ、指先に魔力を込めて走らせると髪が切れる。

ツツツっと切れた箇所から、切った髪と同じ長さまであっと言う間に伸びていく。

うわっ、怖いっマジこわっ!

人に見られたら化物扱いされるね、気をつけよう。


<<お守り作成>>


ティセリアの髪の毛 ティセリア(p)の髪の毛

お守り:ティセリア 

ティセリア(p)の髪の毛に守護の願いが込められたお守り

物理防御+20 魔法防御+50 闇の守護(チャージ1/1)     


(N)はNPC(P)はプレイヤーを表します。


髪の毛ってチケット使って理容室行かないと手に入らないから、レアアイテムなんだよねぇ。

1個持ってたのはルードヴィッヒ君にあげたし……しかし、あの外見男の娘の趣味でもあるのだろうか?

これなら量産し放題だよね、けど、なんかいやだ。

想像してみてほしい、自分の髪の毛のはいったお守りを売るんだよ。

それを持ってる男とか………うん、うわ、鳥肌が…………。

いや、今女キャラ?だし外見上問題はないんだろうけど、本物の女の子だってイヤだろう。

この案は永久封印しよう。


ん~、とりあえずポーションは良いし、初級の武器と防具は作り足したし。

あとは、なんだろうか?何か大事な事を忘れているような。

くぅっとお腹が鳴る。

ぁぁ!!!これだ!食料を売りに出していない。

とりあえずは、サンドイッチとかおにぎりで効果が高すぎ無いのでいいかな。

ぇーっと、制作→料理→検索→サンドイッチっと………。


サンドイッチ++

様々な具をパンで挟んだ物。

料理から製作者の愛情が感じられる。 

MAXHP+100 物理防御+15 効果:3時間

製作者ティセリア



うん、こんなものだろう。

ちょっとHPが増えすぎな気もするけど

あとは売れた品物の詳細と仕入れた材料をデータ化して………面倒だっ。

外部サイトが使えれば、RCOツールWEBにデータ転送するだけでグラフとか出してくれるのに!

一応黒字になってる??あれ、おかしい、なんでだ?

原価で売ってるはずなんだけども………計算間違えた?

やり直し………うぅ数学とか簿記キライ。



2時間ほど数字と睨めっ子。けど、計算は間違っていない。

売れた個数や値段はデータでシステムから来ているから間違ってはいない。

ん……んん?!あぁぁぁ!!!!

マッセの値切りスキルかっっ!NPCから買うからその分が黒字なのか……。

解決したよ。うぅ、この苦労はなんだったんだろう。


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