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穏やかな彼  作者: ジャンガリアンハムスターは世界最強種
9/12

YES!!YES!!!YES!!!!

2次会のレストランですぐ彼女に意識が向かう。

いた。彼女だ!うちの会社の子と話している。

山下が彼女たちのところへ向かっていくのを幸い、俺もその輪に加わった。

挨拶を終えたところで彼女をじっくり見てみる。



本当に好みのタイプだなあ。

俺の言わんとしている冗談を読みとって、優しくからかってくれたり。

打てば響くような事を言うと思いきや、彼女独特のユーモアで斜め上の切りかえしをする。

こんな賑わっている所じゃなくって、静かなところで、二人で話したい。

もっと一緒にいたい。

俺が新郎の辻とのエピソードを話したり、彼女は山下とのエピソードを面白おかしく話してくれる。

どうやら食べ歩きが好きらしい。

――――これは、チャンスじゃないか?


「いつも、二人で?」

「そうですね。

 休みの日とかは、二人が多かったですね。

 でも、仕事帰りは、辻さんと3人で夕飯一緒に食べたりしていました。」

 

辻てめえぇぇ!!知らなかったぞ。

誘えよな!!!俺もっ!!

二人は同棲しているから、気晴らしも兼ねて休みの日は女同士で遊んで楽しんでたんだろう。


「でも、ちょっとこれから気を使うね」

「あはははは!そうなんです。――――野暮なことはしたくないですから。新婚さんの邪魔にならないようにします。ちょっと寂しいですけど。」

「恩田さんは、付き合っている人いないの?」


さっき、山下に間接的に聞いたけれど、こう言う事は本人確認する。メアド・番号然り。

一目惚れに近いかたちで彼女に惹かれていた俺は、結婚も考えていた。

その前にお付き合いをして、もっとお互い知る必要がある。


「はい、でも私は一人ラーメンも一人牛丼も平気なので、これからは「俺じゃ駄目かな」

「え?」

 

失敗した。凄く真面目な子なんだよな。

初めて会った日に告白するって気が早すぎ?


「俺じゃ駄目かな?恩田さんと付き合うのは」

「いえ、そんな。じゃあ、お願いできますか?」


やった!!

マジ、辻感謝!山下感謝!友達でいてくれてありがとう!

Yes!!Yse!!!Yes!!!!



俺たちは晴れて恋人になった。

まだ、彼女は俺に対して距離を置くようなところがあったし、遠慮していることもしばしばあった。

が、一緒にいることに緊張していることはなく、お互いにこの時間を大切にしていると感じていた。

俺は、周りから、世間でいうところの『お金持ちのボンボン』で見られており、親しい友人間では無いが、色々な場面で奢らされる側に立つ人間だった。(時には年齢が上の方達より、多くお金を出すことを強要されていた)

なので、支払いの後にお金を渡させた時は吃驚した。その時は何とかおさめさせたけど、2回目のデートで彼女が伝票を掴んでササッと会計に行ったときは、更に驚いた。(自立している女性なんだな)

それから、時々彼女の方がケーキやお茶を奢ってくれたり、いつも美味しいお菓子や料理(彼女の手作り!感涙)を持たせてくれるのが本当に嬉しくて、嬉しくて、もう絶対に彼女と結婚すると決めていた。


彼女は実家に住んでおり、デートの帰りはいつも玄関まで送るのが暗黙のルールになっていた。

結婚が前提な俺としては、慎重に慎重に進めたかったので、どんなに遅くても22時には、彼女を実家に送り届けてご両親に『誠実さ』アピールをしていた。

それに、比較的早い時間に送り届けた時は、ご挨拶もさせていただいた。


「藤原 武人と申します。貴美子さんとは会社の同僚でして、今後ともよろしくお願い致します。」

「藤原さんは、事業推進課の課長補佐をしている人なんだよ。

 今日は、宇都宮までギョーザを食べにいったの。おみやげも買ってきたからね」

「まあ、わざわざ。貴美子の母です。」

「貴美子の父です。」


彼女から、俺のことを聞いているかどうかは分からないけれど、『同じホテル』『30前後で事業推進課 課長補佐』『藤原』で俺の身元保証が少しでも担保できれば良かった。

お義父さんの方は気がついたみたいで、俺をマジマジと見つめていた。

内心ガッツポーズを取りながら、頭を下げておいとました。



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