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穏やかな彼  作者: ジャンガリアンハムスターは世界最強種
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鉢合わせ

婚約して数週間たったある日。


私は仕事が早番で夕方には家いた。

すると田舎のおばあちゃん家から、リンゴが届いていた。

そうだ!藤原さんにタルトタタンを持っていこう!

私は、夕食を食べながら、早速タルトタタンを作りはじめた。


藤原さんの家につきチャイムを押してみるが誰もいない。

中で待たせてもらおうと、合鍵を使いおじゃまする。

婚約者だから当たり前だが、合鍵をもらった時は恥ずかしいとの嬉しいので頭が一杯一杯だった。

それと、「家に女の子を入れるのは初めてなんだ」と言われた時は、照れて笑ってしまった。

彼の家は、会社寮のワンルームマンションではなく、3LDKの賃貸マンションだった。




キッチンに入り、途中スーパーで買ったバニラアイスや貴腐ワインをしまい、カウンターにタルトタタンを置き、ソファで本を読みながら藤原さんの帰りを今か今かと待っていた。


どのくらい時間がたったのだろう。

私はソファでうたた寝をしていた。

今は何時だろう?となかなか冴えない頭で考えていた時に、鍵がチャっと鳴る音と足音と話し声が聞こえた。


この部屋の前で、足が止まる。

話し声が聞こえる。

何をしゃべっているかまでは分からないが、もう一人が、女性だ、という事は分かった。


彼は

「家に女の子を入れるのは初めてなんだ」

と言っていた。




カチャ、と音がした。

「どうぞ」彼の声が聞こえる


「おじゃましま~~~す」

可愛い女性の声が続いた。



全身が強張った。

身体が熱い。

心臓がドッドッドッと五月蠅い。


「スリッパ履いて」とか「あら。ありがとう」とか、

こちらに歩いてくる音とかを聞きながら私は腹を決めた。



廊下と居間との扉があいた。廊下の光が入り二人の姿が眼に入った。

私はソファから立ち上がり





「お兄ちゃん!!!」





と彼に笑いかけた。







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