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穏やかな彼  作者: ジャンガリアンハムスターは世界最強種
2/12

共通の趣味は、食べ歩き

申し遅れましたが、私は 恩田 貴美子と申します。

現在26歳。独身。

趣味は、食べること。

料理の専門学校を卒業後、某チェーンホテルの厨房で料理人として働いている。

と、いってもペーペーの私である。皿洗い・掃除係から始まり、野菜の皮を剝いたり刻む仕事から、サラダを任されるようになるのに3年。そこからスープ・前菜係へと移行し、最近やっと板についてきたものである。


私は、平平凡凡の人間である。

いや、別に卑下しているわけではなくね…。

顔立ちは10人並みだし。

身長は165cm、体系は、ぽっちゃりさんである。




只今、目の前にいる相手は藤原 武人さん。

会社の先輩でもある。

ホテルの渉外担当をしている。語学堪能な彼はそれを活かてマーケティング部とタッグを組み、海外への営業にも彼の仕事ぶりが発揮されているとか。海外のヤンゴトナキ方たちをはじめ、世界中のエグゼクティブもステイするホテルですからね。彼の能力は内外ともに評価されいるんだろうなぁ。

元々、出身も出身で、出世は間違いない人だ。

私も165㎝あるので低い方ではないが、彼は、私よりさらに身長がある。180cmはありそうだ。肩ががっちりしており、スーツをすらっと着こなし、常に周りの注目を浴びている、とても、ハンサムな人なのだ。

自信というか、オーラが漲っている。


私のような一般庶民とは、職場は同じという以外は縁のない人だった。



彼との出会いは、友人の結婚式だった。

同期の山下佑子ちゃんの結婚式に、藤原さんも新郎友人として来ていたのだ。


佑子ちゃんは、4大卒なので私よりも2歳年上だったが、同期入社で研修グループが一緒になり、友達になった。さらに、お互いの趣味が食べ歩きという事もあり、本当によく一緒に出かけていた。

彼女は、フロントの仕事をしている。本当に可愛いふわふわした外見だが、性格は明るい姐さんタイプ。スレンダーだが健啖家である。

そんな親友の結婚を嬉しく思う反面、なかなかこれからは二人で遊びに行けないな、と寂しく思う。

と、そんな食い意地の張った話をしていた時に、藤原さんが尋ねてきた。


「恩田さんは、付き合っている人いないの?」

「はい、でも私は一人ラーメンも一人牛丼も平気なので、これからは、「俺じゃ駄目かな」

「え?」


 藤原さんも、趣味・食べ歩きなの!?


「俺じゃ駄目かな?恩田さんと付き合うのは」

「いえ、そんな。じゃあ、お願いできますか?」


と、お互いの連絡先を交換した。

以後私たちは食事一緒に食べたり、遊びに行ったりする仲になった。

当初、社交辞令だったのでは?とか、多分私の地味な性格に嫌気がさしてくるだろうな、とか考えていた。

が、話してみると、どうしてどうして。

穏やかで、話題は豊富で、ユーモアもあり、だからといって私の話もきちんと聞いてくれる。

美味しいものを食べることが本当に好きで、私と頻繁に会ってくれる(しかも、連絡をくれるのは彼が多い!)性格まで良い方でした。

また、彼はほとんど毎回奢ってくれる。これには驚いて即お断りしたが、彼は断固として譲らなかった。3~4回押し問答を繰り返した結果私が折れた。ただ、喫茶店などでは私が奢ったり、ときどき手作りお菓子(彼は甘党だ)やおかず等の料理をお土産に渡し、出来る限り相殺しようと心がけた。

藤原さんは、人間としてとても魅力的だった。

私は、どんどん彼に惹かれていった。




今日も今日とて、重なった休みの日を利用して、美味しいロシア料理屋さんに連れて行ってもらった。

わざわざ予約してくれたみたいで、個室でゆったりとした会話と食事を楽しんだ。

食後、私はロシア紅茶を、藤原さんはコーヒーを飲んでいた。


なんとなく、会話が無くなり黙っていると、藤原さんが下を向いたっきり微動だにしない。

ん?

テーブル見たまま動かないぞ?

具合でも―――と、心配になり声をかけようとした 瞬間、


突然顔をあげる。

真剣な表情で私の目をとらえ、言った。



「恩田貴美子さん。


 僕と結婚していただけないでしょうか?」


とな。






誤字・脱字等のご指摘宜しくお願いします。

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