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第八百九十九話 樹里、冥府を去る編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
田路治路を通じて河東真君の声が聞こえました。
「御徒町樹里よ、貴女はまだ生きて果たさねばならぬ事がある。お戻りなさい」
「そうなんですか、バ河東真君さん?」
樹里は笑顔全開で言いました。
「バはいらねえんだよ!」
河東真君は切れました。
「そうなんですか」
樹里はそれでも笑顔全開です。
「さあ、樹里、そのわんこに乗って行きなさい」
渚が言いました。
「大塚さん、早く復帰するといいですね」
樹里が言いました。
「今日のわんこじゃねえよ!」
渚が初めて切れました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
烏鶏国の元国王と姑獲鳥だった女性は唖然としています。
「では」
樹里は田路に跨りました。
恍惚とした表情の田路と羨ましそうな治路です。
「さようなら、樹里ィ」
渚は涙ぐんで手を振りました。
「また会えますよ、渚さん」
樹里は笑顔で応じました。