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第八百八十八話 樹里の真意編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
孫左京は樹里の熱烈な応援を受け、戦っています。
「兄貴が?」
九霊元聖は太上老君の言葉にキョトンとします。
「猿は自在天に力を与えてはいない。猿の如意棒は西の竜王の宮の柱。確実に自在天を痛めつけている」
今度は霊宝天尊が言いました。
「なるほど。それにしても樹里様は、心にもない事を次々におっしゃって、兄貴が可哀想ですね」
元聖が言いました。すると元始天尊が来て、
「そんな事はないぞ。樹里は心から猿を励ましておるし、嘘を吐いている訳ではない」
「じゃあ、樹里様は本当に兄貴の事を?」
何だかニヤついてしまう元聖ですが、
「樹里は猿を好いておるが、愛してはおらん」
ムッとして言う太上老君です。背中に「樹里命」と書かれています。
(ジジイの醜い嫉妬か)
元聖は項垂れます。
「お猿さん」
樹里は左京のために祈っています。
「樹里」
心配そうに樹里を見る璃里です。