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第八百八十一話 主の片鱗編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
第六天が鳴動し、歪みが次第に大きくなります。
「そんな事をしたらお前も滅びるのだぞ。何を企む?」
霊宝天尊が尋ねました。すると魔王はフッと笑い、
「我は滅びぬ。例えこの第六天が消えてなくなろうとも、我は滅びぬよ、三清よ」
鴻均道人が魔王を睨みます。
「そやつはお前が考えているより遥かに貪欲ぞ」
「そうかも知れぬな」
魔王はそれでも余裕の笑みです。
「来るよ、兄貴。退こう」
九霊元聖が言いました。
「そうするしかねえのか」
孫左京は悔しそうにきんと雲で後退します。
「女媧、退け。いくらお前でも只ではすまぬ」
道人が言います。女媧はキッと道人を睨んでから下がりました。
「ふおお!」
歪んだ空間の向こうから何かが蠢きながら出て来ます。
「手遅れか……」
元始天尊が言いました。
「そんな事はありませんよ」
樹里が笑顔全開で言いました。