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第八百十四話 魔王の嘲笑編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、第六天魔王を追撃する事になりました。
黒焦げのはずの魔王が起き上がります。
煤のような物が落ち、その下から美少年の顔が現れました。
「不意を突かれて不覚をとったよ。だが、この程度では勝てぬぞ」
魔王は身体を真っ二つにされた孫左京の顔を踏みつけました。
「ぐう」
生きているのが奇跡の左京は動く事ができません。
「やめて!」
美子が叫びました。
「おのれ!」
霊媚阿壇と女媧と部秘模洲が魔王に向かいました。
「うぬらも死ぬか?」
魔王は爪を幾本も操り三人を翻弄します。
「く!」
あちこちを切り裂かれ、近づけません。
「この程度で死なせんよ。うぬにはもっと苦しみを与える」
女媧達の相手をしながら魔王は左京に言いました。
「お猿さんは負けませんよ、浅田さん」
樹里の声がしました。
「だからその真央じゃねえよ!」
魔王は切れました。