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第七百九十六話 九霊元聖対第六天魔王その弐編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、第六天魔王を追撃する事になりました。
九霊元聖は怒りの力を身体に溜め始めます。
「ぬう?」
第六天魔王もその力を感じ、身じろぎます。
(おのれ、御徒町樹里め! やはり一番の敵はあの女か?)
魔王の顔が醜く歪みます。
「魔王よ、私は今の今までこの世がどうなろうといいと思っていた。しかし、黄姫はそんな事を喜ばない。そして、樹里様もな!」
元聖は九つの頭に戻り、爆炎を連射します。
「ぬおお!」
魔王は慌てて退き、爆炎をはねつけます。
「まだまだだ!」
霊獣の力で撓む空間を爆炎の嵐が貫きました。
「何!?」
魔王はその時初めて、元聖の目的に気づきました。
「うぬは始めから空間を破壊するために……?」
魔王は歯軋りしました。
次の瞬間、空間が弾けて、
「おらあ!」
孫左京の如意棒が魔王の脳天に炸裂しました。
「ぐおお!」
魔王はその衝撃で仰向けに倒れてしまいました。