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第七十八話 更に西へ編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里は国王の霊の真意を王妃や王子に伝える事なく烏鶏国を出ました。
「お師匠様」
勘のいい河童の蘭が樹里に近づきます。
「本当はどうだったのですか?」
「内緒です」
樹里は笑顔で言います。蘭は仕方なさそうに引き下がりました。
樹里は蘭を見て、
「人は知らない方がいい事もあるのです、蘭」
蘭は天変地異がおこるのではないかと真剣に心配しました。
「それにしても意外なのはリックよね」
豚の妖怪の亜梨沙が言います。
「王妃様の巨乳目当てだと思ったのに本当に敵を欺くために動いていたなんて見直しちゃった」
リックは照れながらもエロい目をして、
「だったらまたそのオッパイ揉ませて欲しいにゃん」
「調子に乗るな、エロ猫!」
でも亜梨沙は笑っています。
リックは思いました。王妃様と利害が一致して良かったにゃんと。
「妖怪が出るかも知れねえから俺は先に行きますね」
左京が走り出しました。