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第七百六十四話 乗っ取られた天界編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、今は東に来ています。
第六天魔王はあっさりと天帝を騙し、樹里達との仲裁をしてもらう約束を取り付けました。
「陛下への敵意なき証に第六天魔王自らが陛下に恭順の意を表しに参ります」
第六天魔王が化けた美女が言います。
「あいわかった」
すでに美女の虜の天帝は何を言っても「あいわかった」です。
(勝った)
第六天魔王はニヤリとしました。
太上老君達は天界に着きましたが、天帝の命令で中に入れません。
「第六天魔王め、すでに陛下を……」
老君は歯軋りしました。
第六天魔王が天帝に恭順の意を表するという情報は河東真君のところにも入りました。
「そんなバカな事があるはずない!」
元近衛大将の蘭が激怒しました。
「陛下はお人がよろしいので、奴に騙されたのです」
河東真君は樹里に言いました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「急ぎましょう、お師匠様」
孫左京が言いました。