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第七百五十六話 鎌足の正体編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、今は東に来ています。
リックはとても改心しているとは思えなかったので、またしても如意棒の刑です。
「もう嫌だにゃん」
リックは泣いて嫌がりましたが、誰も聞いてくれません。
「猫さん、貴方は嘘を吐いてばかりいます。そんな事を続けていてはいつか酷い目に遭いますよ」
樹里が言いました。すでに酷い目に遭い続けていると思うリックです。
「其方は」
中大兄皇子は額田王に気づきました。
「兄上様」
額田王は言いました。
「兄上?」
河東真君が素早く反応します。
「違う!」
地の文に焦る河東真君です。まだ何も言っていませんが。
「うるさい!」
切れる河東真君です。
「大海人皇子様は中大兄皇子様とご兄弟なのです」
額田王が言いました。
「鎌足はいずこに?」
皇子が尋ねます。
「逃げました」
亜梨沙が寄り添って答えます。呆れる露津狗です。
「奴は鎌足ではありません」
中大兄皇子が言いました。