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第七百四十六話 両面宿儺現る編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、今は東に来ています。
宿儺太郎は大海人皇子を脅かし、両面宿儺を呼び出す事を約束させました。
「儀式をお始めください、皇子」
太郎は悪い顔で言います。
「出て来い両面宿儺!」
皇子があっさりとした儀式で両面宿儺を呼び出しました。
「パッパラパー」
両面宿儺が煙と共に現れました。
どこかのパクりみたいです。
両面宿儺は顔が表と裏にあり、腕はそれぞれ二本ずつの計四本。
足は爪先が表と裏にあり、踵がありません。
要するに両面宿儺は背中がぴったりくっついた二体の魔神なのです。
「シャザーンではないのですか?」
樹里が尋ねます。
「誰がアラビアンナイトだ!」
太郎が切れました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「皇子、用はすみました。死んでください」
太郎が言いました。彼は杖のようなものを持っています。
「これは両面宿儺を操る杖だ」
太郎はドヤ顔で言いました。