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第七百四十話 鎌足の野望編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、今は東に来ています。
宿儺太郎は孫左京達がいない事に気づきました。
「猿達はどこに行った、坊主!?」
と凄みました。
「山へ柴刈りに」
樹里が笑顔全開で答えます。
「嘘を吐くな! 入鹿の所に行ったな?」
太郎は鬼の形相です。するとそこへ兵が来て、
「蘇我入鹿様、討たれましてございます」
「何!?」
仰天する太郎です。
「大変ですね、山本さん」
樹里が労います。
「その太郎じゃねえよ!」
太郎は切れました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
その頃、鎌足は遊魔にお酌をさせています。
(あのボンクラ皇子をうまく抱き込めば倭の国は我がものよ)
鎌足は野望を抱いていました。
「異国の者達が額田の姫の所に向かいました」
兵が告げました。
「姫を飛騨に連れて行かれるのはまずい。始末しろ」
と鎌足は命じました。
(お師匠様達が危ないのかなあ)
遊魔はそれを聞いて思いました。