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第七百三十八話 入鹿討たれる編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、今は東に来ています。
孫左京は追って来た入鹿の兵を捕まえました。
「お前達、人質がどうなっても良いのか?」
その兵は脅かして来ました。すると左京は、
「別に構わないよ。殺せば?」
「え?」
焦る兵です。
「ええ? 遊魔ちゃんが可哀想よ、左京さん。スケベ猫はどうなってもいいけど」
美子が言います。
「そうだな」
露津狗が同意します。
亜梨沙は思い出してももらえません。
その頃、浮き足立つ入鹿の兵達の様子を知ったある人達が動きました。
中臣鎌足と中大兄皇子です。
「皇子、今こそ逆賊入鹿を討つ時です」
鎌足が言いました。
「そだね」
中大兄皇子は言いました。
「出撃だ!」
中大兄皇子軍は一気に入鹿の邸を取り囲み、入鹿を討ち取ってしまいました。
「無念……」
悪人面はたちまち殺されてしまいました。
捕らえられていた亜梨沙と遊魔とリックは中臣鎌足の陣に連れて行かれました。