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第七百三十四話 樹里と皇子編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、今は東に来ています。
樹里は皇子の部屋に通されました。
「下がれ」
留まろうとする宿儺太郎を退室させます。
「お坊様、貴女は女子ですね?」
皇子は顔を赤くして尋ねます。
「はい」
樹里は笑顔全開で答えます。
「帽子を取ってくださいませぬか?」
皇子は恥ずかしそうに言いました。
「はい」
樹里は帽子を取りました。女の子パワーが全開になります。
「やはり貴女は私の愛しい方に瓜二つだ」
さすが皇子です。直撃を受けても鼻血を出しませんでした。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開で応じました。
孫左京はもう気が気ではありません。
(お師匠様に何かあったら只じゃ置かねえ!)
醜い男の醜い嫉妬です。
「うるせえ!」
地の文に切れる左京です。
すると樹里と皇子が戻って来ました。
「お師匠様!」
左京は涙ぐんで叫びます。
「これからある女の方を探します」
樹里は言いました。




