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第七百三十三話 皇子の話編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指していましたが、今は東に来ています。
皇子は言いました。
「其方達が都の使いではない事はわかった。ならば私に力を貸して欲しい」
そのミルキーボイスで、
「はいはい、いくらでも貸しちゃいますぜ」
揉み手で答える亜梨沙です。
「私達も!」
蘭と鉄扇公主もウットリとした目で言います。
「どうにも胡散臭い。あの悪人面、都の悪人面と同じ臭いがする」
孫左京が言いました。
「悪人面に悪い奴はいない」
河東真君が言いました。
「嘘吐くな」
左京が言いました。
「お坊様」
皇子が樹里に話しかけます。
「何でしょう、天皇陛下?」
樹里がネタバレをかましました。
「お師匠様、それはまだ今はわからない事です」
蘭が言いました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「貴女と二人きりでお話をしたい」
皇子が言いました。
「何だと?」
途端に動揺する左京です。
「そうなんですか」
樹里は皇子と共に奥の間に行きました。