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第七十二話 王妃救出?編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達が妖怪と対峙している頃、孫左京達は宮殿内を進み、王妃のいる部屋の前まで来ました。
「母上!」
王子が叫びます。
「王子」
王妃の声が答えます。
「ご無事でしたか」
「はい」
王妃はリックを締め上げ、
「もし本当の事を言ったら三味線にするぞ」
「はいにゃん」
リックは真っ白な灰になりそうなくらいビビッていました。
扉が破られ、王子達が駆け込みます。
「あ、エロ猫!」
亜梨沙が言います。
「この猫さんが危ないところを助けて下さったのです」
王妃のあまりに意外な話に左京達は唖然とします。
「そ、そうにゃん。僕は裏切ったフリをして妖怪の目を欺いたんだにゃん」
リックは汗まみれで嘘を吐きます。
「怪しい」
蘭がリックを睨みます。
「とにかく母上がご無事で良かった。後は妖怪退治です」
左京は何も言わずに駆け出します。
(そんな事よりお師匠様が心配だ)
妄想で鼻血が出そうな左京です。