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第六百八十九話 東の魔物編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
鷺侘と鷺基と薔鏤鬼吏達が去り、亜梨沙は食い扶持が増えた事を喜びました。
「心置きなく食事できるわね」
「あんたねえ」
呆れる蘭です。
「東に危うい兆しがあるのは確かだ。行かねばなるまい」
鴻均道人が璃里のお尻を触りながら言います。
「そうだな」
孫左京は道人を殴って同意しました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開で応じました。
「東ってどこ?」
大型きんと雲に乗りながら、美子が尋ねます。
「倭だ」
道人が言いました。
「ミツワ石鹸ですか?」
樹里が尋ねました。
「誰がバトンガールだ!」
道人が切れました。古過ぎて誰も知らないCMです。
「三国志魏書東夷伝倭人条にある国だ」
「邪馬台国ですね」
蘭が言いました。
「邪馬台国はなかったのよ」
亜梨沙が付け焼き刃の知識をひけらかします。
誰も聞いていないのに気づき亜梨沙は項垂れます。