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第六百八十五話 世無蛾屡弩、飛ぶ編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
世無蛾屡弩は樹里達四人の美少女の「陽気」力に圧倒され、吹き飛びました。
「にゃんだ?」
逃走中のリックは、空を飛んで行く世無蛾屡弩を見上げました。
「にゃん!」
そしてリックは、「陽気」の余波にやられ、鼻血地獄です。
「死んでしまうにゃん……」
リックは痙攣しました。
樹里達は大型きんと雲で世無蛾屡弩が飛ばされた方へと向かい、途中で枯れ木のようになったリックを拾いました。
リックは樹里達から数里離れた所にいたのに危うく死にかけました。
それほど樹里達の力は強いのです。
「いたぞ」
目のいい露津狗が言いました。
「先に行きます」
鼻血が止まった孫左京がきんと雲で先発します。
(お師匠様からしばらく離れていないと死ぬ)
左京は樹里の怖さを知った気がしました。
馨と鴻均道人はまだ気を失っています。
「ううう」
牛魔王はうなされていました。