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第六百七十八話 闇のイケメン編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 世無蛾屡弩よむがるどが言った不吉な言葉に孫左京は思わず後退りしました。


「何だ、こいつ?」


 牛魔王はすでに左京より後ろに避難しています。


「情けない」


 奥方の鉄扇公主が呆れています。


「我の力は我を賛美する者を贄とする」


 世無蛾屡弩がニヤリとして、蘭と亜梨沙を取り込んでしまいます。


「ああん、ヨム様と一体になれるわあ!」


 蘭と亜梨沙は喜んで世無蛾屡弩に取り込まれました。


「何て事だ……」


 露津狗が世無蛾屡弩を睨みつけます。


「だから言ったのよ、もう!」


 美子めいずが言いました。


「そうなんですか」


 樹里はそれでも笑顔全開です。


「何!?」


 蘭と亜梨沙を吸収したので世無蛾屡弩が大きくなりました。


「我は無限に力を取り込めるのだ。我こそがこの世の支配者よ」


 左京はその姿を見て唖然としました。


(やばいんじゃないの、俺ら?)


 ふと見るとリックはすでに逃走した後でした。

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