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第六百六十二話 鬆令符爾流の反撃編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
鬆令符爾流は美子を睨つけるようにいななき、彼女に突進します。
「きゃ!」
美子は鬆令符爾流をかわし、剣を振り降ろします。
「ブフォオ!」
鬆令符爾流の尻に剣が当たりますが、かすり傷すら負わせられません。
「鬆令符爾流の皮膚は鋼より硬い。無駄よ!」
欧殿がニヤリとします。
「……」
美子が剣を見ると、刃こぼれをしていました。
「お母さんの歯から造った剣が……」
「隙あり!」
姑息一番の孫左京が欧殿に殴りかかりますが、
「ブフォオ!」
鬆令符爾流に阻まれてしまいます。
如意棒は鬆令符爾流の鬣に当たり、跳ね返されました。
「畜生、この馬が邪魔だ」
左京は歯軋りしました。そして、
「ならば!」
と毛を引き抜き、分身を出します。
「やっちまえ!」
数にものを言わせる左京です。さすが姑息の星です。
「うるせえ!」
左京は地の文に切れました。