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第六百五十話 欧殿逃走編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
「わーい、ありがとう、スケベなお爺ちゃん! 私、また強くなったみたい!」
キランと音をさせてウィンクをする美子です。
「おお!」
鴻均道人は鼻血を垂らし、とうとう倒れてしまいました。
「お師匠様!」
太上老君と元始天尊が駆け寄り、助け起こすのかと思ったら、蹴飛ばします。
「自分だけ若い子といい思いしおって!」
醜い嫉妬です。
「行くわよ、神殺しの貴方!」
美子は剣と盾に気を込め、鷺基に向かいます。
「ふおお!」
すると孫左京と打ち合っていた鷺侘が立ち塞がります。
「おーい、俺は?」
いきなり相手をしてもらえなくなった左京は手持無沙汰です。
「どきなさい!」
美子は一撃で鷺侘を跳ね飛ばし、鷺基に迫ります。
「よくも姉上を!」
鷺基も鬼の形相で迎え打ちます。
「温い!」
美子は鷺基も一撃の下に倒しました。
「おのれ!」
欧殿は逃走してしまいました。