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第六百四十七話 孫左京、気合い一発編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
鷺基にあっさりとやられて、孫左京は地面に這いつくばりました。
(つええよおおお)
心の中でビビりまくる左京です。
その時です。風に乗って、樹里の声が運ばれて来ました。
「お猿さんは強いですから」
その声で左京は復活しました。エロのパワーに優るものはないのです。
「うおおお!」
怒濤の勢いで鷺基に突進する左京です。
「ぬありゃあ!」
いつもと掛け声が違います。
「ぬあ!」
鷺基は左京の如意棒を受け止めようとしましたが、左京はそれをヒョイとかわして、鷺基の脇腹を殴ります。
「ぐええ……」
無防備な脇を殴られ、鷺基は悶絶しました。
「下等な猿めが!」
欧殿が鬆令符爾流で襲いかかります。
「おっと!」
左京はそれを紙一重でかわします。
「お師匠様のお力をいただいた俺様は簡単にはやられないぜ」
見得を切る左京ですが、
「おりゃ!」
後ろから鷺侘に殴られ、倒れました。