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第六百四十二話 鴻均道人対鷺基編
御徒町樹里がありがたい経典を授かるために西を目指しています。
鴻均道人は鷺基に一足飛びに近づきます。
「おらら!」
凄まじい速さで拳を繰り出す道人です。
「はあ!」
それを全て受けてしまう鷺基です。
「おらあ!」
道人の左回し蹴りが鷺基の左脇腹に食い込みます。
「ぐぬう!」
鷺基は態勢を立て直し、道人に向かいます。
「どらあ!」
鷺基の正拳突きが道人の鳩尾に炸裂したかに見えましたが、それは残像でした。
「何!?」
鷺基はハッとして上を見ます。
「ほあ!」
上空から道人が鷺基の顔面に踵落としを決めます。
「ぐは!」
鷺基は仰向けに倒れました。
露津狗は衝撃を受けていました。
(さすが三清の師匠。只のエロジジイではないな)
「そのまま決めてください、お師匠様!」
太上老君が言いました。ところが道人は返事をしません。
「お師匠様?」
元始天尊が声をかけると、
「ぐうう……」
道人は胸から血を噴き出して倒れました。