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第六百三十四話 リック悩む編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
二大霊獣の娘である美子は鷺侘と睨み合います。
鷺侘は雷神の槍を持ち、美子に襲い掛かりました。
「はああ!」
三つに分かれた刃の先が稲妻を走らせながら美子に向かいます。
「その程度で!」
美子は母である霊媚阿壇の歯で作った剣で槍を受けます。
「うわ!」
辺りに稲妻が走り、孫左京は慌てて樹里を庇いますが、稲妻は樹里を避けてリックに当たります。
「にゃん!」
また犠牲になるリックです。でもめげません。
「悩むにゃん」
リックはボソリと言いました。
「何がですか、お前様?」
遊魔が尋ねました。リックは腕組みして、
「美子たんも鷺侘たんもムチムチにゃん。どっちを応援すればいいか、悩むにゃん」
そこまで言って、リックは遊魔の真空飛び膝蹴りで倒れました。
「姉上!」
届かないとわかっていながらも、再び鷺侘に呼びかける鷺基です。
すると鷺侘は鷺基を見ました。