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第六百二十九話 欧殿現れる編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
羅侘杜巣玖は改めて樹里一行に詫びを入れました。
「世無蛾屡弩はどうしているのだ?」
鴻均道人が尋ねます。すると羅侘杜巣玖は聞こえないフリをしました。
「何じゃ、こやつ!?」」
ムッとする道人です。
「世無蛾屡弩はどうしているのですか、リスさん?」
樹里が笑顔全開で尋ねます。
「世無蛾屡弩様は、欧殿様と共に世界を闇に変えるための話し合いをしています」
羅侘杜巣玖は言いました。
「何だと!?」
孫左京と露津狗が色めき立ちます。
「いかんな。行動を迅速にせんとな」
太上老君が真顔で言いますが、右手は遊魔のお尻を撫でます。
「お止めください」
遊魔の踵落としが炸裂しました。
その時です。
「鷺基、我が同胞よ。何をしている? 早く御徒町樹里を始末せぬか?」
八本脚の愛馬である鬆令符爾流に跨って、欧殿が現れました。