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第六百二十三話 闇のリス羅侘杜巣玖編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
リスはニヤリとして言いました。
「我が名は羅侘杜巣玖。世無蛾屡弩様の一番弟子」
出っ歯を光らせて得意そうなリスです。
「一番弟子はこの前倒したぞ」
孫左京が呆れ顔で言います。すると羅侘杜巣玖はビクッとし、
「それは嘘だ。俺が一番弟子だ!」
と言い張ります。
「何番弟子でもいいよ。かかって来い」
左京は指をクイと動かして言いました。
「行くぞ!」
羅侘杜巣玖はフッと消えました。
「何!?」
左京はたちまち血だらけになります。
「く……」
左京は血を拭い、羅侘杜巣玖を睨みます。
「俺にも見えなかった」
鷺基が言いました。
「俺も見えなかった」
露津狗が言います。
「僕には見えたにゃん」
リックが見栄を張りました。蘭と亜梨沙が白い目で見ます。
「遊魔にも見えましたよ」
遊魔が言いました。
「嘘を吐くな! 俺の動きが見えるはずがない」
羅侘杜巣玖は切れました。