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第六百二十一話 鷺基の話編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達はひとまず寒さを凌ぐために近くの洞穴に避難しました。
「こぼりづぎぞうだびょお」
鼻水まで凍った亜梨沙はすでに何を言っているのかわかりません。
「左京さんのくださった服、温かいです」
璃里はニッコリして言いました。
「そうですか」
孫左京は柄にもなく照れています。
「鷺基さん、理由を話してください」
樹里は鷺基を真っ直ぐに見て尋ねます。
「はい」
鷺基は全てを話しました。
一同は唖然としました。樹里を除いて。
「そうなんですか」
樹里は鷺基の話を聞いても笑顔全開です。
「お師匠様、私は貴女を殺しに来たのですよ。罰してください」
鷺基は泣きながら樹里に言いました。
蘭と亜梨沙と馨がもらい泣きしています。
その隙に、二人のお尻を触ろうとした太上老君と元始天尊が左京に殴られます。
「では罰として、私達と共に鷺侘さんを救いに行くのです」
樹里の言葉に鷺基は号泣しました。