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第六十二話 一旦逃げましょう編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達は烏鶏国の国王によって牢に入れられましたが石猿の孫左京の活躍で脱出、龍の馨も元の姿に戻りました。
「全員歯を食いしばれ!」
左京は闘志満々です。すると樹里が、
「ここは逃げます」
「え?」
唖然とする左京です。
「馨さんに乗って下さい」
「重い」
馨が定員オーバーを訴えますが、
「誰が曙だ!」
と河童の蘭が却下します。
「逃がすな!」
弓矢が飛んで来ます。
「ひい!」
馨は蛇も驚く蛇行運転をして逃げました。
「おええ」
豚の妖怪の亜梨沙は酷い乗り物酔いです。
「汚物を撒き散らすな!」
左京が怒ります。
一行は町から離れた森へと逃げ込みました。
「どうして逃げたんですか?」
左京が不満をぶつけます。でも樹里のウルウル目で黙ります。
「誰か来るわ」
すっかり吐き終わった亜梨沙が鼻をヒクヒクさせます。
「追手か?」
左京が構えます。
「待て。私は追手ではない」
一人の男前が登場です。