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第六百十六話 北の国へ編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達は、鷺侘が第六天魔王の策略で捕縛されたのを知りません。
もちろん欧殿が第六天魔王の力で蘇ったのも知りません。
樹里達は大型きんと雲で飛行中です。
「最初から一緒に行けば良かったのよ」
亜梨沙が追い討ちをかけます。
元始天尊は蘭のお尻を触ります。
「随分元気ですね!」
蘭の張り手が元始天尊を吹っ飛ばします。
「まあ、しゃあないわな。ヒック」
霊宝天尊は遊魔にお酌をされて言います。
「何となく嫌ーな予感がするにゃん」
リックが呟きます。
「鷺侘……」
露津狗は遥か向こうの空を見ました。
「気になるか、露津狗よ」
鴻均道人が璃里の肩を抱こうとして空振りしながら言いました。
「はい。何やら面妖な気配がします」
露津狗が言いました。
「儂も感じる。何やらしてやられた感じじゃ」
太上老君が言います。
「真顔でお師匠様の肩を抱くな!」
左京が老君を殴りました。