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第五百七十四話 女媧、伏羲の元に還る編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 伏羲ふくぎ女媧じょかを見上げました。


「女媧、すまなかった。全部私が悪い。許してくれ」


 伏羲はきんと雲の上で土下座しました。


「お前様」


 女媧は伏羲を見下ろします。


「貴女の業を祓いますね」


 樹里が印を結びます。


「オンアボキャベイロシャノウマカボダラマニハンドマジンバラハラバリタヤウン」


 樹里は光明真言を唱えました。女媧の身体が光に包まれます。


「おお!」


 やがて女媧は人間の姿に戻り伏羲の前に立ちました。


「お前様」


「女媧」


 二人はヒシと抱き合いました。


「一件落着ね」


 亜梨沙が蘭と顔を見合わせて言います。


 その時です。


「待て待て!」


 空から巨大な影が舞い降ります。


「科学忍者隊ですか?」


 樹里が尋ねます。


「誰がタツノコプロだ!」


 影の正体は蚩尤しゆうでした。


「女媧様、私を好きだと仰ってくれた言葉は嘘なのですか?」


 蚩尤の話に焦る女媧、目が点の伏羲です。

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