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第五百五十二話 親友の助太刀編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達と一緒にいたすっかり影の薄い存在の牛魔王が言います。
「左京を助けに行くぞ」
「はい、お館様」
奥方の鉄扇公主が答えます。すると牛魔王は、
「其方は残れ。我らの新しい命のためにな」
「お館様……」
二人はヒシと抱き合います。感動的な場面ですが、蘭と亜梨沙は白い目で見ています。
「では参る」
牛魔王は自分専用の雲に乗り、樹里を見ます。
「頑張って下さい、牛魔王さん」
樹里は牛魔王のアイコンタクトを理解したのか、笑顔全開で言いました。
「牛魔王、行きまーす!」
鉄扇公主の鋭い目に気づき、牛魔王は慌てて飛び立ちました。
「男って奴は……」
鷺侘が呆れ気味に言い、お尻を触っていた太上老君の手を抓りました。
孫左京は女媧の鱗攻撃に苦戦していました。
「畜生、近づけねえ」
左京はきんと雲を女媧から遠ざけます。
「猿、もう終いか?」
女媧がニヤリとします。




