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第五十五話 孫左京破門される?編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
新に加わった弟子リックを伴い、樹里達は西に向かいます。
「お坊様!」
あからさまに怪しい雰囲気の男の子が駆け寄って来ます。
孫左京は即座にそいつが妖怪だと気づき、
「おらあ!」
と如意棒で打ち倒してしまいます。
「ひ、酷い」
その妖怪は血糊を使って怪我のフリをし、
「お坊様、お助け下さい」
と言いましたが、樹里は馬の馨の上で熟睡していました。
「見てなかったんかーい!」
どこかで聞いた事があるような言い回しで、妖怪は姿を消しました。
「何、今の?」
豚の妖怪の亜梨沙が言います。蘭が、
「聞いた事ある。白骨精よ。人間の姿に化けて哀れを誘って騙すのよ」
左京は舌打ちして、
「今度現れたら止めを刺してやる」
亜梨沙が、
「あのエロ猫は?」
リックの姿がありません。
「あ!」
リックは樹里の背中に乗っています。
「お師匠様、起きるにゃん」
「てめえ!」
左京がリックを叩き落としました。