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第五百四十三話 伏羲の過去編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
伏羲と話をしたリックは三人で樹里達が待つ場所へと戻ります。
(いっそここでこいつを突き落として……)
リックの暗殺を企む伏羲ですが、それでは猛妻の女媧がそのままです。
(もう少し我慢しよう)
犯罪者のような目つきの伏羲です。ロリコンでしょうか?
リック達のきんと雲は樹里達がいる町に着きました。
「お久しゅうございます、道人様」
伏羲は鴻均道人に跪きます。
「うむ」
道人の話では、伏羲と女媧は元は道人の弟子でした。
気の強い女媧が気の弱い伏羲に惚れて二人は結婚しました。
「妻は術を覚えるのが早くて、どんどん強くなりました」
伏羲は術を全然覚えられず、引け目を感じたのです。
「妻は私を叱り、もっと真剣に取り組むように言いました。私はそれが堪えられなくなって、逃げ出したのです」
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開で言いました。




