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第五百三十八話 遊魔、求婚される編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
孫左京はイライラしています。
「どうしたのよ、左京?」
亜梨沙が尋ねました。
「何だか、俺達、出番が減ってないか?」
左京の言葉に亜梨沙は肩を竦め、
「あんたが人気ないからでしょ」
「うるせえ!」
左京は図星を突かれて切れました。
「そうなんですか」
樹里の笑顔全開のその言葉に項垂れる左京です。
遊魔は食堂にあった残り物を全部食べてしまいました。
口あんぐりの伏羲です。
「ご馳走様でした」
遊魔は深々とお辞儀をしました。その途端、隠していた猫耳が出てしまいます。
「あ!」
伏羲が驚いたので、遊魔はそれに気づきました。
「君は妖怪なのか?」
伏羲が尋ねます。
「黄身は半熟が好きです」
意味不明な回答の遊魔です。
「妖怪なら、私と新しい生活を始めないか? 君に惚れた」
伏羲はいきなり求婚しました。
「は?」
遊魔は意味がわかりません。
「私も妖怪なんだよ」
伏羲は言いました。




