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第五百三十二話 逃げる男、追う女編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達は孫左京に追いつき、伏羲がすでにいなくなっているのを知りました。
「役立たずね」
蘭が左京を罵ります。
「俺のせいかよ!」
左京があるお笑いコンビのような突込みをします。
「ある意味、猿のせいじゃな。伏羲は勘が鋭いのじゃ。お前が近づいて来るのを感じて、逃げたのじゃろう」
鴻均道人が言いますが、その手は璃里のお尻を撫でています。
「お師匠様、お止め下さい。我らが恥ずかしいです」
元始天尊と太上老君が声を揃えて言います。
「お前らが言うな!」
道人が言い返します。確かにそうです。
「取り敢えず、姉上様から離れろ、エロジジイ!」
左京が道人を殴りました。
「む?」
霊宝天尊が赤ら顔を空に向けます。
「女媧が動き出したぞ。こちらに向かっておるな」
その言葉に一同は騒然としました。
「そうなんですか」
しかし、樹里は笑顔全開です。




