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第五百二十一話 璃里対天狐編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
天狐が選んだ対戦相手は樹里の姉の璃里でした。
「汚いぞ、狐! 姉上様を選ぶなんて!」
孫左京が怒鳴りますが、
「黙れ、猿! 不服なら私はこのまま邸に戻るぞ」
天狐の圧倒的な迫力と言い分に左京は身じろぎました。
「左京さん、私なら大丈夫。心配しないで」
璃里が意を決して言いました。
「姉上」
樹里も心配そうです。
「何か勘違いしているようだが、私はその女と力の勝負をするつもりはないぞ」
天狐が言いました。
「何?」
左京達はキョトンとします。
「私と知恵比べをするのだ」
天狐はフッと笑いました。
「知恵比べ?」
璃里はビクッとしました。
(千里眼を持つと言われている天狐に知恵比べで勝てるはずがない)
蘭が焦ります。
「私の出す問題に答えるのだ」
天狐は悪い魔女のような顔で言います。
「テレフォンは使えますか?」
樹里が笑顔全開で尋ねました。
「誰がみのもんただ!」
天狐は切れました。




