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第五十二話 猫まっしぐら編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里は偶然にも猫又を倒しました。
「反則にゃん!」
リックは壁から抜け出し喚いています。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
左京は全裸の亜梨沙と蘭にムシロをかけました。
「あ!」
亜梨沙と蘭が気がつきます。
「あんたねえ!」
状況を把握していない亜梨沙が立ち上がってしまいます。
「亜梨沙、服を出して着ろ」
「え?」
亜梨沙は自分が全裸だと気づきました。
「左京のエッチ」
「違うよ!」
蘭はムシロを身体に巻きつけ、
「助けてくれてありがとう」
「素直になったな」
蘭は、
「私は元々素直だよ」
二人は妖術で服を出して着ました。
「このジジイ猫達は?」
亜梨沙が倒れている猫を見ます。
「猫又は年老いた猫がなるものだ。子猫がいる訳ない」
「それにしても呆気なかったわね」
蘭が言います。
「またたびを撒いたのさ。猫まっしぐらだからな」
「なるほどね」
すっかり忘れられている馬の馨でした。