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第五百十八話 天狐現る編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里のとんでもない答えが正解なのを知り、落ち込む蘭です。
「どうしてなのよ……」
そんな蘭を嬉しそうに亜梨沙が慰めます。
「仕方ないよ、蘭。お師匠様が主人公なんだから」
「ううう」
余計落ち込む蘭です。
「そのような胡散臭い理由で正解としたのではないぞ」
その声と共に、真っ白な服を身にまとった絶世の美女が現れました。
肌は透き通るように白く、髪も雪のように白いです。
「おお! 天狐しゃん!」
リックが絶叫し、遊魔に殴られます。
「久しいですね、お三方」
天狐は太上老君達に微笑みます。
「そうじゃな」
老君が応じました。天狐は蘭と亜梨沙を見て、
「知っている事で満足するな。そこから更に考え出す事こそが知恵なのだ」
「え?」
蘭と亜梨沙が天狐を見ます。
「昔より語り継がれし答え以外であれば、どれも正解という事だ」
要するに蘭の答え以外なら何でも良かったのです。
固まる蘭です。




