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第四百八十二話 三清対千年狐狸精編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
太上老君、元始天尊、霊宝天尊の三人が一斉に飛び、千年狐狸精の放った火の玉を蹴散らします。
「我ら、三清がお前如きたちまち倒してくれるわ!」
長兄の老君が見得を切ります。
「次元さんはいないのですか?」
樹里が寂しそうに尋ねます。
「その三世じゃねえよ!」
元始天尊が突っ込みました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開になりました。
「漫才は終わったかい?」
千年狐狸精が軽蔑の眼差しで尋ねます。
「うるさい! 行くぞ!」
老君が言います。
「おう!」
元始天尊と霊宝天尊が応じ、三人は千年狐狸精に突進しました。
「ジジイめ! 長生きしたくないのかい!?」
千年狐狸精は鉄扇を振るい、三人の攻撃を受け止めます。
「すげえ。全然ジジイの動きが見えねえぞ」
孫左京も仰天するほどの戦いです。
「まずいのではないか、蘭?」
鷺侘が囁きます。蘭も頷いて、
「そうかも」
と応じました。




