48/1000
第四十八話 亜梨沙と蘭、騙される編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里は左京達が離れた隙を突かれて連れ去られました。
左京と馬の馨が探しましたが、樹里はどこにもいません。
亜梨沙と蘭はリックと茶店で寛いでいました。
「あのお坊様はそんなに凄い方なんだ」
リックは亜梨沙の話に頷きます。
「私達はお師匠様をお守りするために同行しているの」
ベラベラ喋る亜梨沙に蘭はうんざりしています。
「君達も強いの?」
リックが尋ねます。亜梨沙は照れて、
「私達は女だから強くないわ」
と蘭を見ます。蘭は、
「ええ」
とだけ返します。
「本当は強いんでしょ?」
リックが言います。
「そんな事ないって」
亜梨沙が言った時、
「だったらここで死ぬにゃん!」
急にリックの口調が変わります。
「亜梨沙!」
蘭が亜梨沙を抱えてリックから離れます。
「逃げても無駄にゃん。この町の住人は皆僕の手下だにゃん」
リックの尻から尻尾が二本伸びています。
「猫又?」
蘭は仰天しました。