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第四百七十七話 玉石琵琶精の悲しみ編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
元始天尊は危ないところを霊宝天尊に救われました。
「大事ないか、エロ兄?」
赤い顔をして霊宝天尊が言います。
「何じゃと!」
額から血を流したままで元始天尊は起き上がりました。
男の子は人間の姿に戻り元始天尊を支えます。
「酒臭いジジイか? 長兄はどうした?」
千年狐狸精が尋ねました。
「太上老君が来るまでもない。お前如き、儂が退治てくれる」
霊宝天尊がゲップをしながら言います。
「臭い」
千年狐狸精は鼻を摘みました。
「姉様」
玉石琵琶精は意を決して口を開きます。
「文句でもあるのかい?」
千年狐狸精が凄むと玉石琵琶精はたじろぎます。
「てめえの相手はこの俺だ!」
場の空気を一切無視の孫左京が割り込みます。
「キジちゃんへのあの仕打ち、ご説明下さい」
玉石琵琶精が言いました。すると千年狐狸精は、
「あいつはヘマをした。そのお仕置きさ」
と言いました。




